タイトル |
多収安定・良食味水稲新品種候補「秋田59号」 |
担当機関 |
秋田県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
水稲「秋田59号」は中生の晩に属し、多収安定と良食味、良質を兼ね揃えた粳種である。秋田県の平坦地での安定生産と食味水準の向上を図るため、秋田県の奨励品種に採用を予定している。
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背景・ねらい |
近年、米の市場競争が激化し、競争カのある良食味・ 良品質品種が強く求められるとともに、米の安定的生産が求められている。 さらに、「あきたこまち」ヘの過度の作付け集中はカントリーエレベーターの 利用率や適期刈り取りに支障をきたしている。 そこで、多収安定と収穫作業の分散による米の低コスト化と、 秋田県産来の品質・食味水準の向上を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 「秋田59号」は1988年に秋田県農業試験場で「東北143号」
(後の「ひとめぼれ」)を母、「秋田39号」(後の「あきた39」) を父として人工交配し、選抜・固定を進めてきた系統であり、 1995年F8より「秋田59号」 の系統名を付し奨励品種決定試験で検討してきた。
- 出穂期及び成熟期は「ササニシキ」並の中生の晩で、
稈長が「ササニシキ」より短く耐倒伏性が強い。
- いもち病抵抗性遠伝子型はPiaと推定され、
圃場抵抗性は葉いもちがやや弱、穂いもちが中である。障害型耐冷性は中である。
- 収量性・玄米品質は「ササニシキ」より安定して良く、
「あきた39」・「トヨニシキ」並で、食味は「あきた39」・ 「トヨニシキ」より大幅に改善されている。
表1 秋田59号の特性一覧表 図1 食味官能試験結果
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成果の活用面・留意点 |
- 「あきたこまち」の一部に替わって収穫作業の集中を解消するとともに、
「ササニシキ」の一部及び「あきた39」に替わって秋田県産米の食味、 品質向上に貢献するものと期待される。普及見込み面積は10,000ha。
- 栽培適地は秋田県内平坦部一円であり、中生の晩のため山間地は除く。
- いもち耐病性は強くないのであきたこまちに準じた防除に努める。
- 品質・食味の低下といもち病防止のため極端な多肥栽培はさける。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
新品種
水稲
抵抗性
低コスト
品種
防除
良食味
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