水稲湛水散播栽培の落水出芽による播種始期と対応技術

タイトル 水稲湛水散播栽培の落水出芽による播種始期と対応技術
担当機関 山形県立農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 水稲湛水散播栽培において、播種後落水出芽を行うことにより播種後25日間の平均最高気温19度Cの条件下でも70%の苗立ち率確保が可能である。この時期は山形県内陸平坦部で4月25日頃となるが、秋耕や早めの春耕によってほ場の準備を行うことで代かきや播種作業は可能である。
背景・ねらい 湛水直播栽培においては、
播種から出芽まで苗立ちを安定させるための落水出芽が行われている。
これまで播種始期は播種後10日間の平均気温14度C以上とされ、
山形県内では5月1日であるが、
落水出芽が普及しているなかで播種始期は従来より前進可能とみられる。
そこで、落水出芽での播種始期の策定を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 播種始期の策定
    山形県では平均気温14度C以上が播種始期とされてきたが、落水出芽では播種後25
    日間の最高気温平均19度Cで70%の苗立ち率確保が可能である(
    図1、
    表1)。
    それ以下の温度でも種子は腐敗せず出芽するが、出芽日数が長く実用的ではない。
  2. 落水出芽での播種適期
    山形県内主要地点において過去10年間で80%以上の頻度で播種後25日間の最高
    気温平均19度C以上確保できるのは4月6半旬であることから、山形県内陸部湛水直播
    栽培適地(内陸平坦部)での落水出芽による播種適期は4月25日からである(
    表2、
    表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 山形県内平坦地域で用水確保が可能な地帯に適用する。
  2. 播種始期を早めるための対応技術としては、
    秋耕や早めに春耕してほ場の準備を行い、
    日最高気温が17度Cに達した時期をめどに代かき・播種する。
  3. 秋耕したほ場では士塊が大きく固いので、代かきはていねいに行う。
  4. この時期の播種では雑草の発生が早いので、適期に除草を行う。
  5. 播種を4月下旬に早めると「はえぬき」の生育が促進されて出穂が早まり、
    慣行の播種期と比較して登熟歩合の低下が少なくなり、
    収量・品質・食味を高めることが可能となる。
図表1 231242-1.gif
図表2 231242-2.gif
図表3 231242-3.gif
図表4 231242-4.gif
カテゴリ 病害虫 雑草 直播栽培 除草 水稲 播種 良食味

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