炭水化物栄養から見た「はえぬき」の登熟特性

タイトル 炭水化物栄養から見た「はえぬき」の登熟特性
担当機関 山形県立農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 「はえぬき」は、「ササニシキ」に比ペ、登熟中~後期における葉の枯れあがりが少なく、より高い光合成速度を示す。また、茎葉中のTAC含量(利用可能な炭水化物量)の低下が少なく、日照不足や高温といった条件下においても安定した登熟特性を示す。
背景・ねらい 山形県において、8月の日照不足及び9月の高温が平咸10年の作柄に
及ぼした影響は、品種により大きく異なった。そこで、
今後の作柄解析の資料にするため、炭水化物栄養から見た
「はえぬき」の登熟を「ササニシキ」と比較して解析し、
登熟特性を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 「はえぬき」は、日照不足の条件において、
    葉の枯れあがりが「ササニシキ」よりも少なく、
    登熟速度が後期まで低下しない
    (表1)。
  2. 9月に入ってからの高温・多照条件下でも、「はえぬき」
    の止葉におけるみかけの光合成速度は「ササニシキ」のそれよりも高い
    (表2)。
  3. 登熟前半の日照不足の中で、「はえぬき」の茎葉におけるTAC含量
    (利用可能な炭水化物量)の減少は、「ササニシキ」に比べて少なく、
    稲体の活力の低下が小さい傾向を示す
    (表3)。
  4. 収量は、「はえぬき」では平年対比99と平年並であったのに対して、
    「ササニシキ」のそれは96で平年より低収であった。整粒歩合は、
    「はえぬき」では平年対比101であったのに対して、
    「ササニシキ」のそれは94と平年より劣った
    (表4)。このように、「はえぬき」の収量と品質が「ササニシキ」より優ったのは、
    1~3項に示した「はえぬき」の登熟期における生理特性によると考えられた。
成果の活用面・留意点
  1. 「はえぬき」の作柄解析と栽培法の改善に活用する。
  2. 平成10年度の解析に基づく結果である。
図表1 231245-1.gif
図表2 231245-2.gif
図表3 231245-3.gif
図表4 231245-4.gif
カテゴリ 品種

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