タイトル |
水稲直播の「代かき作溝表面播種法」の開発 |
担当機関 |
福島県農業試験場 |
研究期間 |
1994~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
湛水直播栽培において農家が既存の農業機械を利用して、安定した出芽・苗立ちと耐倒伏性を得るために、植付部を取り外した乗用田植機に作溝器を装着し、作溝後に動力散布機で播種する簡易播種法を開発した。
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背景・ねらい |
湛水直播栽培で安定した出芽・苗立ちを確保するには、 酸素が十分に供給される表面播きが良い。しかし、 表面播きは耐倒伏性が劣るため、 溝付け後播種して耐倒伏性の強化を図る必要がある。この条件を満足し、 農家が所有する農業機械や簡単に加工できる農機具で作業ができ、 移植栽培と比較してあまり収量が低下しない播種法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 作溝器は、長さ600mmの角形鋼管(2.3mmX100mmX100mm)
を対角線上に二分したL形の鋼板14枚を、190mmの間隔に平行においた長さ 2150mmの2本の角形鋼管(1.6mmX60mmX30mm)の支柱に15mmの隙間をあけて直角に 固定したものである。 (図1) - 作業工程は、代かき後のほ場で一部露出している
凸部の土壌がゴルフボール1m落下で20mm~30mmの硬さになったら、 凹部にやや水が残る程度に落水する。植付部を取り外した乗用田植機に 作溝器を取り付け、溝深さ40~60mm程度の作溝を行う。作溝完了後、 溝上部が隠れる程度に入水し、背負動力散布機で酸素供給剤粉衣種子を播種する。 出芽までは溝が隠れる程度の浅水で管理する。 出芽揃い後に溝の底面が割れる程度まで芽干し、 その後入水して湛水管理に移行する。( 図2、 図3、 図4)
- 本播種法の特徴は以下の3点があげられる。
- 溝の表面に散播するため良好な出芽・苗立ちが得られる。
(表1) - 散播された種子は出芽までに溝の底部に落下し、溝方向の条播状となる。
(図5) - 細粒土では溝が徐々に埋まり、株元の支持力が増し、耐倒伏性が高まる。
(表2)
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成果の活用面・留意点 |
- 動力散布機による播種時は、
作溝した溝の上部や中間部へ粉衣種子が貫入するのを防ぐため、 噴頭を上方に向けて散布する。
- 土壊を固化させるのに代かきから播種までの期間が長くなるため、
ノビエの葉齢に注意して早期に除草剤を散布する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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図表7 |
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カテゴリ |
病害虫
加工
直播栽培
除草剤
水稲
播種
水管理
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