タイトル |
岩手県における生育予測を用いた大豆の作期策定とその利活用 |
担当機関 |
岩手県農業研究センター |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
大豆作において、発育指数(DVI)等を用いた作期策定法は、水稲との労力競合の回避や小麦等との前後作組み合わせに有効である。
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背景・ねらい |
大豆は土地利用型作物として、また、輸作作物として重要な位置づけにある。 従って、作期策定に当たっては、他作目との労力競合を避けるとともに、 輸作体系を考慮に入れた作期設定が必要である。 一方、大豆の高品質・安定生産を確保するためには、 大豆自体の好適作期も必須条件として考慮しなければならない。 そこで、生育予測を用いた大豆の作期策定とその応用を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 岩手県における生育の予測は、水稲で用いられている発育指数(DVI)
を適用すると、比較的精度が高く、誤差も概ね2日程度と少ない。また、 開花期~成熟期の積算日平均気温は、 開花期後21~60日目の平均気温と相関が高く、成熟期の予測が可能である (表1)。
- 作期の策定は、発育指数(DVI)による開花期予測と成熟期予測に地域の平年気温
を組み入れることで可能である。また、 現況の気温を組み入れた予測も可能である (図1)。
- 以上の作期策定法は
以下の例のように他作目との労力競合を縮減するための作期策定や、 前後作組み合わせにおける作期の策定に応用が可能である。
- 水稲との労力競合を避けるための作期策定
岩手県南部では「スズカリ」を6月中旬に播種した場合の成熟期は10月下旬となり、 水稲との労働競合が極めて少なくなる (図2)。
- 早生大豆一小麦の作付け体系成立のための作期策定
早生大豆と小麦を組み合わせた作付け体系は、 岩手県内陸南部及び沿岸南部で実施可能である (図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 開花期予測の開始時期は、本来出芽期とするべきだが、
土壌条件の違い等により出芽期の予測が困難なため、 播種期を予測の開始時期とした。また、日長を考慮した予測を 行っていないため、早播及び晩播では誤差が生じると考えられる。
- 生育予測は、栽培法(栽植密度等)、
土壌条件(土壌水分、肥沃度等)及び気象条件 (日射量、降霜等)などの影響により誤差が生じる場合がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
小麦
水稲
生育予測
大豆
播種
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