食物アレルゲンに対する抗体分泌細胞ライブラリーの作成

タイトル 食物アレルゲンに対する抗体分泌細胞ライブラリーの作成
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 畑作物のうち、大豆、麦、そば等は食物アレルギーの原因となることが知られている。ヒトリンパ球を不死化することで、いくつかの作物に対するヒト抗体分泌細胞を樹立し、アレルゲン解析のツールとしてのヒト抗体が提供できる。さらにこれらの抗体を用い、新しい畑作物の品質評価が可能になる。
背景・ねらい 現代人の3人に1人はアレルギーの体質を持っていると言われている.
このうち食べ物によって引き起こされるものを食物アレルギーと呼ぶ。
東北地方の主要な畑作物のである大豆等も食物アレルキーを引き起こすことがある。
アレルゲン蛋白質に対するIgE抗体が人間の体のなかで産生されることによって、
食物アレルギーを発症する素地ができる。したがって、
ヒトの抗体を用いてアレルゲン蛋白質の詳しい構造解析を行うことにより、
抗体が食物アレルゲンのどういった部分を認識しているかを知ることが、
食物アレルキー発症機構を解析する上で重要である。しかしながら現在も、
ヒト抗体を安定的に得ることは困難である。そこで本研究では、
ヒトリンパ球を不死化する技術を用い、
継続的に食物アレルゲンに対する抗体を産生する細胞株を得ることを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 健常人から得た末梢血リンパ球にエプスタイン-バールウィルスを感染させ、
    2000本以上の凍結アンプルからなるB細胞(抗体産生細胞)
    ライブラリーが作製できる。
  2. 同時にそれぞれの細胞の培養上清を保存し、
    数種の食物アレルゲンに対する抗体を酵素免疫測定法で調べることにより、
    どのような食物アレルゲンに対する抗体産生細胞が含まれているかを
    知ることができる
    (表1)。
  3. 大豆粗抽出液を電気泳動しメンブレンに転写後、
    いくつかの培養上清を用いて認識される蛋白質をウエスタンブロッティングで
    検出すると、多数の蛋白質のバンドが得られる。将来、これらの抗体を用いて、
    大豆のアレルゲン性の強弱を判定できる可能性がある
    (図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 種々の食物アレルゲンに対する抗体産生細胞が検出された。
    これらの細胞が産生する抗体を用い、
    作物のアレルゲン性を予測することが可能になる。
  2. 本研究で作製した抗体産生細胞ライブラリーは、
    種々の食物アレルゲンのみならず、
    他のアレルゲン蛋白質の解析にも用いることができる。
図表1 231300-1.gif
図表2 231300-2.gif
カテゴリ そば 大豆

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