冬期寡日射条件下での無加温パイプハウスにおけるコマツナの無被覆栽培

タイトル 冬期寡日射条件下での無加温パイプハウスにおけるコマツナの無被覆栽培
担当機関 秋田県農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 冬季に寡日射条件となる秋田県におけるコマツナの無加温パイプハウス栽培では、保温資材で被覆すると軟弱に生育し、糖やビタミンC含有率が下がり、栄養価が低下する。また、作物体の耐凍性も高まらず、凍害が発生しやすくなるので、ハウス内は無被覆が良い。
背景・ねらい 冬期に日射量の多い太平洋側では、コマツナやホウレンソウ栽培において、
ハウス内で保温資材を使用することにより、生育促進効果が高い。
秋田県でも生育促進や凍害を防止しようとして保温資材を使う農家が多い。
しかし、保温しているにもかかわらず、しばしば凍害がみられる。したがって、
日射量の少ない秋田での保温資材の使用には疑問がある。そこで、コマツナの生育、
糖、ビタミンC含有率および耐凍性を調査し、
秋田での保温資材使用の有効性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 平均気温は無被覆に比べ、ポリトンネルで約2度C、不繊布べたがけで約1.8度C、
    不繊布トンネルで約1.5度C高まる(図1)
  2. 草丈は無被覆に比べ、保温資材を使用すると伸長が早い。また、
    生体重は不繊布トンネル、不繊布べたがけ、無被覆、ポリトンネルの順に高まるが、
    乾物重は不繊布トンネル、不繊布べたがけ、無被覆間で大差がなく、
    ポリトンネルでは劣る。生体重に占める葉身重の割合は保温資材の使用により低下し、
    無被覆で最も高い。これらのことは、保温資材の使用により、軟弱に生育し、
    無被覆で健全に生育することを示す
    (表1)。
  3. 保温により糖、ビタミンC含有率は低下する。特に、
    ポリトンネルでは糖含有率が少ない(図2)。
    このことから、秋田ではハウス内の保温により、葉菜頬の栄養価が低下し、
    無被服で高まる。
  4. 保温により耐凍性は無被覆に比べ低下する(表2)。
    そのため、放射冷却の著しい早朝等に、凍害を受けるおそれがある。
  5. これらのことから、
    冬期に寡日射条件となる秋田での無加温パイプハウスにおけるコマツナ栽培では、
    ハウス内は無被覆が良い。
成果の活用面・留意点 寡日射地域における10月下旬から12月上旬播種のコマツナ栽培に有効である。
図表1 231328-1.gif
図表2 231328-2.gif
図表3 231328-3.gif
図表4 231328-4.gif
カテゴリ こまつな 凍害 播種 ほうれんそう

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