ニンニクさび病菌の伝染環

タイトル ニンニクさび病菌の伝染環
担当機関 青森県農業試験場環境部
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 ニンニクのさび病菌の伝染環を明らかにした。秋の発生は主にネギ上で越夏した夏胞子によって始まり、春の発生は主にニンニク上で越冬した夏胞子によって始まる。冬胞子の伝染源としての役割は小さい。青森県ではネギも宿主植物として重要である。
背景・ねらい ニンニクさび病は青森県におけるニンニク栽培上の重要病害である。しかし、
本病の第一次伝染源をはじめ、本病菌(Puccinia allii)の伝染環は
これまで十分に解明されていなかった。そのため、
罹病残さの処理や他の宿主植物の管理等による耕種的防除法の検討ができなかった。
そこで、本病菌の越夏および越冬方法を詳しく検討した。
成果の内容・特徴
  1. ニンニクさび病菌の伝染環(図1)
    1. ニンニクさび病の秋季発生の主要な伝染源は、ネギ上で越夏した夏胞子である。
      ニンニク被害残さ上の夏胞子は夏季の気温条件下で生存できず、越夏できない。
    2. 秋季にはニンニク上で夏胞子による伝染が繰り返されるが、気温の低下に伴い、
      伝染は緩慢となる。
    3. 冬季は積雪下でもニンニク生葉上の夏胞子あるいは潜在菌糸の形で越冬するが、
      雪害等により生葉の損傷が著しい場合には、越冬は困難となる。
    4. 春季は越冬したニンニク生葉上の夏胞子あるいは潜在菌糸から発病が始まる。
      以後は収穫期までニンニク上で伝染が繰り返される。
    5. ニンニクの収穫期が近づくと生葉上に冬胞子も形成される。
      冬胞子はニンニク被害残さ上で越夏・越冬するが、伝染源としての役割は小さい。
  2. ニンニクさび病菌の宿主範囲(表1)
    ニンニクさび病菌は、供試した30種類のネギ属植物のうち、ニンニク、ネギ、
    タマネギ等17種類に寄生性が認められた。このうちネギは県内で広く栽培されており、
    ニンニクの作付けの途切れる夏季に夏胞子で伝染環を結ぶ重要な役割を果たしている。
成果の活用面・留意点 ニンニクさび病の耕種的防除に活用できる。
図表1 231343-1.gif
図表2 231343-2.gif
カテゴリ 病害虫 たまねぎ にんにく ねぎ 防除

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