青色粘着板による夏秋トマトのヒラズハナアザミウマの発生モニタリング

タイトル 青色粘着板による夏秋トマトのヒラズハナアザミウマの発生モニタリング
担当機関 秋田県農業試験場環境部虫害担当
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 青色粘着板をトマトハウスの外に設置することにより簡便にヒラズハナアザミウマの発生状況をモニタリングできる。これにより、急増期の把握が可能で、防除開始期を判定する目安として利用できる。
背景・ねらい 秋田県内の夏秋トマト産地ではヒラズハナアザミウマによる白ぶくれ症により
商品価値が著しく低下するため問題となっている。特に、
県南部で被害が大きく普及センターを中心として本種の発生源である
ハウス周辺のシロツメクサの花を採集し発生状況の調査を行っているが、
作業が繁雑で分離採集するための器具を必要とする等の理由で
方法の改善が求められている。さらに、被害がいつから発生するか把握できないため、
防除はスケジュール散布となり過剰防除となっているのが現状である。そこで、
市販の青色粘着板(アザミウマ類モニタリング用)を利用して、
より簡便で精度の高いモニタリング手法を確立し、
効率的防除のため本種の防除開始期を判定できるか検討した。
成果の内容・特徴
  1. 青色粘着板をハウス内に設置してアザミウマ類の誘殺消長を調査すると、
    従来のシロツメクサの花による調査と同様に被害果の発生消長を把握できることから、
    青色粘着板の利用はヒラズハナアザミウマのモニタリングに有効である
    (図1)。
  2. 青色粘着板の設置場所を検討したところ、
    ハウス外ではハウス内よりアザミウマ類の誘殺数が多く、
    被害発生初期に誘殺数が急増することから、発生初期のモニタリングに優れている
    (図2)。
  3. 青色粘着板に誘引されるアザミウマはヒラズハナアザミウマが優占することから、
    誘殺されるアザミウマ類をモニタリングすることにより
    ヒラズハナアザミウマの急増期の把握ができる
    (図3)。
  4. 青色粘着板による急増期を防除開始期と判定して殺虫剤散布を行うと、
    慣行防除と同等の防除効果が得られることから、本種の防除開始期の目安となる
    (図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 殺虫剤の予防的散布から適期散布へ改善できる。
  2. 青色粘着板は誘引効果の高い「ホリバー(R)(10cm×25cm)」を使用する。
  3. 設置する地点はハウス入り口の外側3m以内、高さは地上1~1.5m程度がよい。
  4. 設置する時期は、シロツメクサなどの雑草の開花始期を目安とする。
  5. 粘着板の交換は5~10日間の一定間隔とする。
  6. 急増期は青色粘着板の10日当たり誘殺数が片面当たり概ね50頭以上、
    増加率が概ね5倍以上を目安として判定する。
  7. 例年の急増期は6月下旬~7月上旬頃であるので注意して観察する。
図表1 231347-1.gif
図表2 231347-2.gif
図表3 231347-3.gif
図表4 231347-4.gif
カテゴリ 病害虫 雑草 トマト ヒラズハナアザミウマ 防除 モニタリング

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