タイトル |
花きのアザミウマ類の発生実態 |
担当機関 |
フラワーセンター21あおもり |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
主に開花期の花きを対象とした発生実体調査の結果、広く発生が認められたのはミカンキイロアザミウマ及びヒラズハナアザミウマで、ネギアザミウマがこれに次いだ。また、これら3種による花器での被害が目立った。
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背景・ねらい |
アザミウマ類は花きの最重要害虫とされているが、 その発生実態はほとんど明らかにされていないことから、発生実態を明らかにし、 防除指導上の参考とする。
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成果の内容・特徴 |
- 発生確認種
- 花きにおける3か年の調査で、ミカンキイロアザミウマ
Frankliniella occidentalis (Pergande)、ヒラズハナアザミウマ F. intonsa (Trybom)、コスモスアザミウマ Microcephalothrips abdominalis (Crawford)、ネギアザミウマ Thrips tabaci Lindeman、クロゲハナアザミウマ T. nigropilosusUzel、ダイズウスイロアザミウマ T. setosus Moulton、 キイロハナアザミウマ T. flavus Schrank 及びグラジオラスアザミウマ T. simplex (Morison)の8種が確認された。
- 発生概況(表1)
- 発生確認地点率が高かったのは、ミカンキイロアザミウマ、
ヒラズハナアザミウマ及びネギアザミウマであった。
- ミカンキイロアザミウマの発生確認地点率は、
これまでの花での主要種であるヒラズハナアザミウマに比べると 低い品目もみられたものの、キク及びカーネーションではむしろ高く、注目された。
- 寄生密度の高い地点が多かったのは、
ミカンキイロアザミウマ及びヒラズハナアザミウマで、ネギアザミウマ、 キイロハナアザミウマがこれに次いだ。 キクではクログハナアザミウマの寄生密度が高い地点がみられた。
- 調査したほとんどの地点で複数種が混発していた。
- 被害発生状況(表2)
- アザミウマ類の寄生は35品目で確認され、多くの品目で、
アザミウマ類の寄生・加害により花弁のかすり症状や褐変等の汚れが確認され、 品質低下の要因になっていた。
- これらの被害は、ミカンキイロアザミウマ、
ヒラズハナアザミウマ及びネギアザミウマの寄生・加害に起因すると考えられた。 特に、ミカンキイロアザミウマの発生が確認されたほ場では 被害程度が高い傾向がみられ、開花できない蕾もみられた。
- しかし、前記3種の寄生が確認されたにもかかわらず、
被害が確認できなかった品目もみられ、今後さらに検討が必要である。
- 一方、葉や心葉の被害が認められた品目は、
アザミウマ類の寄生を確認した35品目中7品目と少なかった。
- コスモスアザミウマ、ダイズウスイロアザミウマ及びキイロハナアザミウマの
寄生加害による明かな被害症状は今回の調査では確認できなかった。
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成果の活用面・留意点 |
ミカンキイロアザミウマ、 ヒラズハナアザミウマ及びネギアザミウマの寄生が確認されたのにもかかわらず、 明かな被害が確認できなかった品目がみられたことから、 被害発生との関係についてさらに検討を要する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
カーネーション
害虫
きく
グラジオラス
コスモス
大豆
ねぎ
ヒラズハナアザミウマ
防除
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