タイトル |
培養変異による早生・良食味ショクヨウギク「山園K1号」の育成 |
担当機関 |
山形県立園芸試験場 |
研究期間 |
1998~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
黄色花弁のショクヨウギク在来系統(通称:寿)を用い、組織培養による変異誘発処理を行い、植物体を作出した。その中から黄色花弁で早生形質、良食味のものを選抜後、特性検定を実施し、「山園K1号」を育成した。
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背景・ねらい |
本県のショクヨウギク作付け面墳は170haで全国一となっており、「岩風」、「寿」、 「もってのほか」等、在来系統が栽培されている。生産現場では収穫時期拡大のため、 夏秋ギクの早生品種が求められていた。
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成果の内容・特徴 |
- 来歴
「山園K1号」はショクヨウギク在来系統「寿」の組織培養による変異系統である。
- 特性
- 生態的特性
育成した「山園K1号」は自然開花した場合、挿し芽から開花までの到花日数は85日で、 「寿」よりも4週間ほど早く、夏秋ギクの中でも早生の特性を持つ。育成地 (山形県寒河江市)で雨よけハウス栽培した場合、収穫期間は7月中旬~10月中旬で 「寿」よりも4週間ほど拡大し、盛期は分散する (表1、図1)。
- 形態的特性
「山園K1号」の草型は直立性、草性は高性である。標準品種「天寿」の諸特性を 「中程度」とした場合、開花時の草丈がやや低く、茎の太さは中程度で、 分枝数がやや少ない。葉の大きさ、縦横比は中程度で、一次欠刻はやや深く、 二次欠刻程度は低い。また、葉色は緑色で、たく葉はすべての葉の両側にあり、 3~4の欠刻を生じる。「寿」と比較して開花時の草丈がやや低いこと、 分枝数がやや少ないこと、葉の二次欠刻程度が低いことで区別性がある。
- 花の形態
花弁の色は明緑黄色(JHSカラーチャート2705)、形は平弁と舟底弁が混在する。 花の大きさは中程度(花径:8cm前後)で「寿」とほぼ類似している。食味は甘み、苦み、 歯触り、風味ともにショクヨウギクとして良好である (図2、図3)。
- 栽培概要
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成果の活用面・留意点 |
- 平成9年3月に種苗登録申請を行った。
- 収穫始期が4週間ほど早く、「寿」の前に収穫される品種として位置づけられる。
- 秋冷が早い中山間地帯においては、夏秋どりの作型が可能になり、
収穫期間が拡大する。
- 栽培においては各種ウイルス病の発生に留意し、耕種的防除と薬剤防除を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
カラー
中山間地域
品種
防除
薬剤
良食味
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