無看護分娩時の損耗軽減と省力管理のための保温器具の開発

タイトル 無看護分娩時の損耗軽減と省力管理のための保温器具の開発
担当機関 福島県畜産試験場
研究期間 1994~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 無看護分娩時の損耗軽減のための保温器具を開発した。これの使用によって、厳寒期でも体温を32度C以上に保てるので、3日齢以内の損耗率は保温灯などの使用に比べ37.2%に、5週齢まででも66.8%に低くすることができた。吊上方式なので作業が省力的に行え脱着可能で移動性に優れていた。
背景・ねらい 養豚経営の省力化で、無看護分娩法が多くなっているが
厳寒期の保温性の悪い豚舎での子豚損耗が問題となっている。無看護分娩では、
気温が5度C以下になると急激な体温降下を引き起こし寒冷死をすると言われているが、
保温に努め体温を30度C以上に保てば生命に影響を与えないとされている。そこで、
保温性・作業性を考慮した保温器具を開発し、
厳寒期の無看護分娩時の損耗と作業性について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 開発器具の内容・特徴
    1. 側部及び後部は図1のように配置して使用した。
      側部は豚房の最後部に取付けることで、母豚のいたずらによる損傷を防止した。
    2. 図2の左側は子豚が保温器具を使用している状況、
      右側は上部に吊上げている状況を示し、
      ボロ出しや子豚の捕獲等の作業が能率的に行えた。
    3. 構造:図3に示すように高さを約270mmにし、
      行動空間を確保した。図4は毛布とビニールシートを
      交互にすることで保温性を高めた。
    4. 保温マットは側部25,000円、後部15,300円でその他の経費を含めて全資材代は
      48,740円であった。
    5. 後部保温器具と母豚との間にビニールシートを下げ、尿による汚染を防止した。
    6. 脱着が容易で移動性に優れていた。
  2. 開発保温器具使用による育成試験
    1. 開発器具使用法(以下新法)と白熱灯等の使用法(従来法)
      による比較試験を厳寒期に実施した結果、3日以内の損耗は従来法に比べ37.2%
      (0.64/1.72頭)であり、5週齢でも66.8%(1.55/2.32頭)と低かった
      (表1)。3日齢以降は従来法とした。
    2. 寒冷下で開発器具使用時の新生子豚体温は、全て32度C以上で安全域であった。
    3. 出生後数分で利用を開始し90%以上の時間を保温器具内に留まり、
      母豚がどんな体勢でも哺乳に支障なく、保温器具内から哺乳する子豚が見られた
      (図1)。
成果の活用面・留意点 分娩後6時間以内の子豚の寒冷死防止が目的なので、使用期間は3日以内で十分である。
図表1 231397-1.gif
図表2 231397-2.gif
図表3 231397-3.gif
図表4 231397-4.gif
図表5 231397-5.gif
カテゴリ 経営管理 省力化

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