ウシ腫瘍壊死因子−α(TNF−α)遺伝子に認められたRFLP多型

タイトル ウシ腫瘍壊死因子−α(TNF−α)遺伝子に認められたRFLP多型
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1998
要約 黒毛和種および日本短角種を用いてウシ腫瘍壊死因子-α(TNF-α)遺伝子の多型解析を行い、6ケ所のRFLP(制限酵素切断片最多型)部位を検出した。
背景・ねらい 遺伝子解析技術の進歩により、畜産分野においても増体、
泌乳、肉質、多産性及び抗病性等の経済形質に関係する遺伝子の解析が
精力的に進められている。
病原体に対する免疫応答の調節にはサイトカイン(Cytokine)と呼ばれる
一連の物質群が重要な役割を果たしている。近年、
サイトカインは免疫応答以外にも細胞増殖・分化および物質代謝等
様々な生理機能の調節にも関与していることが明らかになり、
抗病性以外の経済形質とも何らかの関係があることが予想される。
本研究では、黒毛和種および日本短角種を用い、
代表的なサイトカインであり脂肪細胞の増殖にも関与している腫瘍壊死因子-α
(TNF-α)遺伝子の、品種内および品種間での多型性の違いを検討した。
成果の内容・特徴
  1. 黒毛和種25頭および日本短角種44頭のゲノムDNAから、
    PCR法によりウシTNF-α遺伝子を増幅し、RFLP(制限酵素切断片長多型)を調べた。
    30種類の制限酵素を用いた結果、6ケ所のRFLP部位を検出した
    (図1)。
  2. 検出したRFLPについて、
    黒毛和種と日本短角種との間で対立遺伝子頻度を比較した結果、
    6種類のRFLPのうち4種類で両品種間に有意差が認められた
    (表1)。
  3. RFLP部位の塩基配列決定を行い変異を確認した。
    制限酵素RsaIによる多型は第4エクソンのORF(Open Reading Frame:
    アミノ酸に翻訳される配列)内に存在していた(図1)。
    しかしこの変異はアミノ酸配列に影響しなかった
    (図2)。
成果の活用面・留意点 ウシTNF-α遺伝子は多型性に富んでおり、
その出現頻度は牛品種間で差があることが明らかになった。
しかし本研究で検出されたRFLPはTNF-α分子の一次構造には関係せず、
経済形質との関係は不明である。この点を引き続き検討すると共に、
TNF-α遺伝子の発現を調節する領域の変異も併せて検討する必要がある。
図表1 231398-1.gif
図表2 231398-2.gif
図表3 231398-3.gif
カテゴリ 品種

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