土壌蓄積リン酸に対応した寒冷地水田のリン酸低投入施肥管理

タイトル 土壌蓄積リン酸に対応した寒冷地水田のリン酸低投入施肥管理
担当機関 岩手県農業研究センター
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 水田土壌にリン酸が蓄積している実態にもとづき、水稲のリン酸吸収量と土壌中の可給態リン酸(トルオーグ法)水準に対応したリン酸施肥基準を策定し、可給態リン酸30mg/100g以上では無施用とした。
背景・ねらい 岩手県には黒ボク土が多いため古くからリン酸の多施用が積極的に行われてきた。
さらに冷害対応としてもリン酸多施用となり、リン酸が土壌中に多量に蓄積する
傾向が見られている。リン酸は、過剰害が出にくいことから寒冷地では施用量が
あまり減らないという実態があり、過剰施用を解決するため可給態リン酸に対応した
施肥管理技術を確立した。
成果の内容・特徴
  1. 土壌環境基礎調査による岩手県内の水田土壌中可給態リン酸含量は黒ボク土・非黒
    ボク土とも着実に増加しており、第4巡では30mg/100g以上の割合が33%と
    なっている(図1)。
  2. 水稲の成熟期(稲作全体)におけるリン酸吸収量は、品種・リン酸施肥量にかかわらず
    5~7kg/10aである(図2)。
  3. 可給態リン酸水準別のリン酸施肥による収量への影響は、可給態リン酸6mg/100g未満
    では収量の増加が著しく、6~30mg/100gでは年次間差などの変動が大きく、
    30mg/100g以上ではほとんどない(図3)。
    30mg/100g未満では生育初期低温年に分げつが遅れ、収量に影響する事例が
    見られる(表1)。
  4. 以上のことから、水稲に対するリン酸の施肥基準(10a当り)を土壌タイプを問わず、
    可給態リン酸水準が6mg/100g未満では7kg+リン酸改良、6~30mg/100gでは7kg、
    30mg/100g以上では無施用とする。
成果の活用面・留意点
  1. 岩手県内におけるリン酸の水稲への施肥基準とする。
  2. 定期的に土壌診断を受けて可給態リン酸の水準を把握し、施肥量を決定する。
図表1 231422-1.gif
図表2 231422-2.gif
図表3 231422-3.gif
図表4 231422-4.gif
カテゴリ 肥料 管理技術 水田 水稲 施肥 凍害 土壌環境 土壌診断 品種

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