スルホニルウレア抵抗性アゼトウガラシ属水田雑草におけるALS遺伝子の変異部位

タイトル スルホニルウレア抵抗性アゼトウガラシ属水田雑草におけるALS遺伝子の変異部位
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 スルホニルウレア系除草剤抵抗性アゼトウガラシ属水田雑草では、除草剤の作用点となるアセト乳酸合成酵素(ALS)の遺伝子が変異して、ALSのドメインAのプロリンが別のアミノ酸に置換されており、これによりALSの除草剤感受性が低下している。
背景・ねらい 近年問題となっているスルホニルウレア系除草剤(SU)抵抗性の発現機構を解明し、
雑草の抵抗性変異の発現に関する基礎的知見を得るため、4種類のアゼトウガラシ属
水田雑草において、SU剤の作用点として知られるアセト乳酸合成酵素(ALS)の除草剤
感受性を調べるとともにALS遺伝子を部分的に単離し、抵抗性生物型における遺伝子
変異を調べる。
成果の内容・特徴
  1. SU抵抗性のアゼトウガラシ、アゼナ、アメリカアゼナ、タケトアゼナの4種類の
    アゼトウガラシ属水田雑草のALSは、SU感受性のものと比較すると、
    スルホニルウレア系除草剤のチフェンスルフロンメチル対する感受性が
    低い(図1)。
  2. 4種類のSU抵抗性アゼトウガラシ属水田雑草のALS遺伝子は、ドメインAのプロリンに
    あたる塩基配列が変異しているため、プロリンが別のアミノ酸に
    置換されている(表1)。
  3. ALSのドメインAのプロリンの置換はSU感受性を低下させることが知られており(Lee,
    et al. 1998 EMBO J.7:1241-1248;Haughn,et al. 1998 Mol. Gen. Genet 211:
    266-271)、アゼトウガラシ属水田雑草のALSのSU感受性も低下していることから、
    抵抗性はこのALS遺伝子の変異が原因であると考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 除草剤抵抗性の出現機構の研究における基礎的知見となる。
  2. SU抵抗性は遺伝子のわずかな変異によって引き起こされるので、同一除草剤の
    連用を避けるなどの予防対策を行って、今後の新たな出現を防止することが重要
    となる。
  3. 成果によって明らかになったプロリンから置換されたアミノ酸は、他のアミノ酸に
    置換された場合でも抵抗性を引き起こすと考えられ、植物種によって決定されて
    いるわけではないことに注意する。
図表1 231439-1.gif
図表2 231439-2.gif
カテゴリ 病害虫 コスト 雑草 除草剤 水田 抵抗性 とうがらし

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