タイトル |
湛水直播栽培における耕種的カルガモ被害軽減法 |
担当機関 |
青森県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
水稲の湛水直播栽培におけるカルガモによる被害は、播種様式や播種後水管理等の耕種的対策を組み合わせることにより、無被害圃場の5~10%程度の減収に軽減できる。
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背景・ねらい |
水稲の湛水直播栽培では、播種直後から約1か月間に及ぶカルガモによる種籾の食害や踏みつけ、苗の引き抜き等の被害により大きな減収になる例が多い。これまで、播種様式や各種の防鳥機具・機材、忌避剤等を用いた被害防止対策を試みてきたが、設置に要する労力やコスト、更には効果の持続性等から実用的防止方法として不十分であった。このため、新たに開発された2~3の栽培管理技術を組み合わせた耕種法による、実用的なカルガモ被害軽減法について場内及び現地圃場で検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 播種様式
カルパー粉衣種子を土中1cm前後の播種深度が安定的に確保できる湛水土中播種方式で行う(表1、2)。 - 播種後の水管理
- 播種後は、出芽始期~揃期頃迄の10日~14日間程度の落水管理を行う。落水期間が長いほどカルガモ被害の軽減効果を高めることが可能となる(表1、2)。
- 落水管理中に田面に軽い地割れを生じるが、特に苗立ちや生育・収量に対する影響は認められない。
- 圃場均平及び土壌表面の硬化
- 土壌表面を固めることは、カルガモ食害時の抵抗性が高まり被害苗の70%以上が茎葉部の食いちぎりとなり、被害軽減に役立つものと推察される(表3)。
- 落水管理時の速やかな表面排水と均一な落水状態並びに土壌表面硬度を確保するため、圃場の均平精度を高めることが必要である。
- 耕種的カルガモ被害軽減法は、現地圃場においても効果が確認された(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- カルガモ生息密度が低い地域では十分な効果を発揮できるが、特異的に高い地域では他の簡易対策との併用が望ましい。
- 落水管理終了後は、田面が露出しない2~3cm程度の浅水管理を行う。
- 落水期間が長くなることにより、雑草防除回数が通常より多くなる場合がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
コスト
栽培技術
雑草
直播栽培
水稲
抵抗性
播種
水管理
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