肥効調節型肥料を用いた局所施肥による夏どりキャベツの省力減肥栽培

タイトル 肥効調節型肥料を用いた局所施肥による夏どりキャベツの省力減肥栽培
担当機関 秋田県農業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 夏どりキャベツにおいて、窒素吸収パターンに適合する肥効調節型肥料を全量局所施肥することにより、追肥の省略が可能で、20%減肥しても慣行施肥区とほぼ同等の可販収量が得られる。この方式により、作付け期間中における施肥窒素の下層土への溶脱量が減少する。
背景・ねらい 現在、夏どりキャベツ栽培では
速効性肥料を用いた基肥重点の分施体系が主流である。
しかし、栽培面積の拡大と環境保全の面から、
作業の省力化と施肥窒素の溶脱を軽減する
効率的な施肥体系の開発が求められている。
そこで、夏どりキャベツ栽培に適する溶出タイプの肥効調節型肥料を選択し、
全量局所施肥による追肥を省略した省力減肥栽培の可能性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 全量局所施肥は、肥効調節型肥料に速効性肥料を20~30%混合し、
    畝上部から約10cm下の中央部の位置にスジ状になるように行う
    (図1)。
  2. 夏どりキャベツの窒素吸収量は定植30日頃から急激に増加するため、
    定植20日頃からの溶出率が増加する肥効調節型肥料30日タイプが
    40日タイプに比べて適しており、
    2回(定植20日後と35日後)の追肥を省略することができる
    (図2)。
  3. 30日タイプによる全量局所施肥での収量は、40日タイプより優り、
    追肥を省略し20%減肥しても慣行施肥区とほぼ同等の可販収量が得られる
    (図3)。
  4. 下層土における施肥窒素由来無機態窒素量は、
    肥効調節型肥料を用いた局所施肥区が慣行施肥区に比べ少なく、
    作付け期間中の施肥窒素の溶脱量が減少する
    (図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本方式は夏どりキャベツ(6月下旬~7月下旬どり)に限定する。
  2. 本施肥方式は、市販の畝内条施肥機により可能である。
  3. このデータは、可給態窒素5~6mg/100g(30度C、4週間培養)
    の試験圃場での結果である。減肥割合は土壌の窒素供給量に応じて加減する。
  4. 土壌診断に基づき、リン酸及びカリは別途施用する。
図表1 231501-1.gif
図表2 231501-2.gif
図表3 231501-3.gif
図表4 231501-4.gif
カテゴリ 肥料 キャベツ 栽培技術 省力化 施肥 土壌診断

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