タイトル |
夏ホウレンソウは午前中の強光を嫌う |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1996~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
夏のホウレンソウの暑さ対策に、ハウス全面を生育初期に外部遮光する技術がある。しかし、この技術では遮光資材除去直後の水ストレスで、葉焼けを起こしたり、減収する危険が大きい。その対策として、南北棟ハウスでは、東側だけを遮光して午前中だけ光を弱めると、軟弱徒長が抑制されるうえに、全遮光並の収量が得られ、葉焼けも抑制できる。
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背景・ねらい |
やませ地帯では夏の低温を利用した低温性野菜の導入が進んでいる。 反面、やませの少ない年には、高温害が頻発する。 この対策として、ホウレンソウでは生育初期にハウスを外部遮光して 被害軽減する方法が定着しつつある。 しかし、この方法では遮光の終了により急激に水ストレスが高まるので、 遮光資材を除去するタイミングが難しい。 そこで、遮光終了後の水ストレス軽減のため、部分遮光の効果を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 南北棟ハウスの外部遮光では、地温は全遮光で最も低く、
次いで東遮光が低く推移する。 これらの遮光では西遮光と無遮光に比べて、上昇時刻帯の地温が低く、 下降時刻帯の地温に大差ない(図1、図2)。
- 南北棟ハウスの外部遮光では、発芽、発芽後の生存、生育が、
全遮光で最も促進される。 これに次いで東遮光で促進され、全遮光との差はわずかである。 一方、西遮光の効果はほとんどない(図3)。
- 遮光終了後の水ストレスの回復には、全遮光で7日程度を要する一方、
東遮光で3日程度である(図4)。 これは、東遮光で全遮光より遮光資材除去による障害が軽減されることを示す。 また、資材除去により起こる障害に対する農家の不安が東遮光で軽減する。
- 東遮光で、収量は全遮光と同程度に増え、葉焼けは全遮光より減少する
(表1)。
- 寒冷紗で遮光すると、全遮光では1アール当たり4万円の資材費がかかる。
東遮光ではこの資材費がほぼ半減する。
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成果の活用面・留意点 |
- 東遮光の効果は、強光、土壌水分、地温上昇の抑制による。
- 平均外気温18度C以上での直播で、
かつ、全遮光では軟弱徒長する時期、地域で有効である。
- 遮光の程度、位置、時期、期間の影響を検討することにより、
さらに効果的な部分遮光技術ができると考えられる。
- 東北地方北部太平洋側では、播種後5日ほどの間に、
やませの来襲が予測されないときに有効である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
播種
ほうれんそう
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