タイトル |
栄養系鉢物りんどうの品質向上のための挿し穂調整法 |
担当機関 |
岩手県農業研究センター |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
栄養系鉢物りんどうの挿し木繁殖は天挿し、管挿しとも節部を培土に埋設することで発根が向上し、越冬芽は節部に形成する。採穂時の母株の生育節数は8節程度が適し、頂部から4節までを利用するが天挿し2節、その下部を管挿し2節に調整して利用する。
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背景・ねらい |
岩手県における鉢物りんどうはこれまで種子系の 「いわて乙女」により産地が形成されてきたが、 「あおこりん」等の栄養系鉢物りんどうの新品種を組み合わせることにより 今まで以上の長期出荷が可能となる。 しかし、新品種を鉢物経営に定着させるためには 品種の特性を活用する挿し木繁殖法や高品質生産技術の開発が課題となっている。 そこで、挿し穂の調整法と品質や開花期、越冬芽形成の関係について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 栄養系鉢物りんどう「あおこりん」等の低コストな増殖は挿し木繁殖で行う。
挿し木繁殖での根の発生は節部が早く、越冬芽も節部に形成するため天挿し、 管挿しとも節部を挿し木時に地下部に埋設する (表1)。
- 頂部から4節目までを利用するが、天挿し2節、
その下部を管挿し2節に調整して利用する (表1~2)。
- 挿し穂の調整は天挿し、管挿しとも埋設する節部分の1対葉または、
片葉を除去して利用する(図1)。
- 採穂時の母株の生育節数は8節程度が適する
(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 管挿しでは品種や遅い挿し木時期により株のボリュームが低下する場合があるため、
事前に品種の特性を把握して対応する。
- 採穂時の生育節数は頂芽の肥厚期が適しており、10節以上になると側芽も肥厚期に
入り、開花期が前進するため遅れないように採穂する。
- 採穂用の母株は3月下旬挿しの場合、1月下旬、4月下旬挿しの場合、
2月下旬頃より最低温度10度Cで管理する。 11月下旬頃から入庫までの期間は母株を凍寒害に遭わせないように管理する。
- 挿し木の培養土としてはシステムソイルりんどう用が適しており、
200セルトレイに挿し木を行い、30~40日程度経過後、 鉢上げを行うが浅植えとする。
- 鉢上げ用の適正な培土は現在、検討中であるが十和田砂、モミガラ、ピートモスの
3:3:3混合土などを用いて行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
経営管理
高品質生産技術
挿し木
出荷調整
新品種
低コスト
繁殖性改善
品種
りんどう
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