タイトル |
高品質・低蛋白の酒造好適米水稲新品種候補「美郷錦」の育成と採用 |
担当機関 |
秋田県農業試験場 |
研究期間 |
1987~2000 |
研究担当者 |
川本朋彦
眞崎 聡
松本眞一
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発行年度 |
2000 |
要約 |
水稲「美郷錦」は中生の中の酒米品種である。本品種は高品質で玄米の粗蛋白質が少なく醸造特性が良好であるため、酒造用原料米として、秋田県で認定品種に採用を予定している。
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背景・ねらい |
高品質な酒米として知られる「山田錦」は各酒蔵独自の高級酒の原料米として需要が多いが、極晩生で収量性が低く、しかも脱粒性があるなど秋田県での栽培は難しい。そのため、秋田県の気象に適応し「山田錦」に匹敵する高品質な酒米品種が望まれている。「山田錦」を直接の交配親とし、「山田錦」を早生化した高品質、低蛋白質の品種を育成することにより、酒蔵とそこに連携する酒米生産農家を中心とした地域の振興に期することができる。
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成果の内容・特徴 |
- 「美郷錦」は1987年に秋田県農業試験場において、「山田錦」を母、「美山錦」を父として人工交配し、選抜・固定を進めてきた品種であり、1994年F8より「秋田酒55号」の系統名を付し奨励品種決定試験で検討してきた。
- 出穂期は「美山錦」よりもやや遅いが成熟期はやや早い(表-1)。
- 稈長が「美山錦」並に長く、耐倒伏性は弱い(表-1)。
- いもち病抵抗性遺伝子型はPiiと推定され、圃場抵抗性は葉いもち、穂いもちともに「やや弱」である。障害型耐冷性は「中」である(表-1)。
- 玄米収量は「美山錦」より少ない(表-1)。
- 玄米は「美山錦」並に大粒で「美山錦」より粗蛋白質は少ない。また、精米特性が「美山錦」より優れる(表-2)。
- 心白の発現は「美山錦」より良好である(表-3)。また、現場醸造試験では吟醸酒用の原料米として高い評価を得ている(表-4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 「美郷錦」は秋田県内平坦部を中心に、50ha程度の普及が見込まれる。
- 「美郷錦」は収量性は低いが酒造用原料米としての特性を生かすことにより、吟醸酒等高級酒の原料米としての利用価値が高い。
- 「美山錦」よりも耐倒伏性が弱いため、倒伏による品質低下や粗蛋白質の増加を防ぐために多肥栽培は避ける。
- いもち病耐病性は葉いもち、穂いもちともに「美山錦」よりも弱い「やや弱」なので、適期に防除を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
酒造好適米
新品種
水稲
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
防除
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