糯臭の弱い短稈の低アミロース米水稲新品種候補系統「奥羽354号」の育成

タイトル 糯臭の弱い短稈の低アミロース米水稲新品種候補系統「奥羽354号」の育成
担当機関 東北農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 滝田 正
加藤 浩
横上晴郁
片岡知守
東 正昭
山口誠之
田村泰章
小綿寿志
小山田善三
春原嘉弘 
発行年度 2000
要約 中生、短稈、低アミロース米の水稲系統「奥羽354号」を育成した。飯米は粘りが強く、糯臭が少なく、冷飯の食味が優れ、食味改善のための混米用や、低温で流通する加工用原料等の利用が予定される。
背景・ねらい 「奥羽354号」と同じく低アミロース米特性を有する品種として東北地域では「スノーパール」が平成10年度に命名登録され、近年の低アミロース米人気もあり広く普及し始めている。しかし、「スノーパール」は長稈で耐倒伏性が弱く、肥沃地には適していない。また、チルド等の低温で流通する「スノーパール」の飯米については民間の特許の枠がはめられ、その用途以外についてのみ利用が限られ、普及しにくい問題があった。このため生産者からは、「スノーパール」と異なる短強稈の低アミロース米系統育成の要望が出されている。そこで、このような要望に応えた品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「奥羽354号」は、低アミロース米系統「探系2019」(中間母本農14号)を母、短稈、早生の粳系統「ふ系143号」(ヤマウタ)を父とする組合せから育成された低アミロース米系統である。
  2. 出穂期と成熟期は「ひとめぼれ」と同程度で、育成地では“中生の晩”に属する。
  3. 短稈で耐倒伏性は“強”、耐冷性は“中”、穂発芽性は“中”である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pia”を持つと推定され、圃場抵抗性は葉いもち・穂いもちともに“中”である。また白葉枯病圃場抵抗性は“中”である。
  4. 草姿は止め葉が直立し良好で、収量は、「ひとめぼれ」より9%高く、「スノーパール」より4%高く、低アミロース米系統としてはかなりの多収性である。
      
  5. 玄米は、千粒重が20.7gのやや小粒で、低アミロース米特有の白濁があり、胚芽残存は少ない。アミロース含量は登熟気温により変動し、平年は7~9%であり、高温年は低く、低温年は高くなる。こうした特性は「スノーパール」と同じである。
      
  6. 飯米は低アミロース米特有の強い粘りがあり、冷飯でも柔らかく良食味である。糯臭は「スノーパール」より少ない。
    表1.特性一覧表
成果の活用面・留意点
  1. 混米による食味向上の原料、冷飯で流通する加工用米飯の原料として利用する。
  2. 短稈で肥沃地に適する。
図表1 231577-1.jpg
カテゴリ いもち病 加工 新品種 水稲 多収性 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 良食味

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