タイトル |
水稲籾水分を利用した刈取適期の予測 |
担当機関 |
宮城県農業センター |
研究期間 |
1997~2000 |
研究担当者 |
伊藤 修
佐々木次郎
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発行年度 |
2000 |
要約 |
水稲の籾水分は、登熟期間全体を通して、積算気温50℃で約1%低下するので、任意の時点での籾水分から、刈取適期を予測できる。
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背景・ねらい |
水稲の刈取適期の判定には、一般的には出穂後積算気温や籾色が指標として使われているが、出穂期や水稲の生育量に影響されず、圃場一筆ごとの刈取適期を客観的に判定するのに、登熟期の任意時点での籾水分が利用できることを明らかにした。
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成果の内容・特徴 |
- 籾の水分測定は、中庸な稲株の全籾を1.9~2.0㎜の縦目網で篩い、登熟停止籾や不稔籾を除去後、米麦単粒水分計(CTR-800E)で1粒ずつ計測し、300~500粒の平均値を籾水分とする(図1)。
- 日平均気温の積算と籾水分の低下割合との間には、降雨の影響を受けるとバラツキが生じるものの、登熟期間全体を通してみれば、積算気温50℃で約1%低下する関係(0.02%・℃・1)が認められ、年次間差もなく一定である(図2)。
- 同じ出穂後積算気温で比較すると、㎡当たり籾数が多いほど籾水分が高い傾向にあるが、籾水分の低下割合は、籾数の多少に影響されず一定である(図3)。
- この籾水分の低下割合を利用すれば、出穂期が不明でも、任意の時点で籾水分さえわかれば、刈取始期の籾水分25%または終期の21%になるまでに要する積算気温が算出できる(図4)。
- 米麦単粒水分計は9~40%の範囲で水分測定できるので、概ね出穂後15日以降から刈取予測が行える。
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成果の活用面・留意点 |
- 宮城県の中生品種(「ササニシキ」、「ひとめぼれ」、「まなむすめ」)に適用する。
- 籾水分は、降雨後に一時的に上昇するので、籾殻が濡れていない状態で測定する。
- 刈取りに適する籾水分は、既往の刈取目安から刈取始期25%、刈取終期21%に設定する。
- 大型共同乾燥調製貯蔵施設等で計画的に刈取作業を進めるために籾水分が利用でき、圃場一筆ごとの刈取適期の客観的な判定に役立つ。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
乾燥
水稲
品種
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