塩酸抽出・ICP発光法による農耕地土壌中カドミウムのプロセス定量分析

タイトル 塩酸抽出・ICP発光法による農耕地土壌中カドミウムのプロセス定量分析
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2002~2004
研究担当者 中島秀治
関口哲生
亀川健一
発行年度 2004
要約 土壌汚染対策法に基づく方法に準じ、供試土壌1gを1molL-1以上)の迅速定量分析ができる。
キーワード カドミウム、農耕地土壌、塩酸抽出、ICP-OES法、
背景・ねらい Codex委員会では、農作物中カドミウム濃度の規制値が論議されており、多数検体の農耕地土壌を定量分析する手法が必要になってくる。しかし、従来のカドミウム定量分析法は、加熱酸分解・有機溶媒抽出、原子吸光分析法が主で、作業能率が劣り熟練を要する。また各種無機酸や有機溶媒を使用するので分析作業者への被曝、実験廃ガスや廃液の処理も無視できない。このような試料液調製をせず、大量の検体数を迅速・簡便に処理するため、土壌汚染対策法に基づく方法に準じ、作物体(平成9年度、平成14年度)と同様に、農耕地土壌適用できるプロセス定量分析法(本法)を確立する。
成果の内容・特徴 1.
本法は、作物体と同様に、調製した農耕地土壌1.00gに1molL図1)。
2.
土壌中の定量分析は測定波長の選定が重要である。土壌型7種類を用い、土壌汚染対策法により試料液を調製し、日本工業規格K0102により農耕地土壌中カドミウムを定量分析すると、測定波長214nmは鉄マトリックスの影響を受け、カドミウム測定値は高濃度になる。測定波長228nmは鉄の影響を受けにくいため、試料液を直接Axial型ICP-OES装置に測定しても、有機溶媒抽出をして除鉄した測定値と良く合う(表1)。
3.
本法の定量分析値(図1、表2)と、土壌汚染対策法により試料液を調製し試料液を直接Axial型OES・ICP装置に導入し測定波長228nmで得た値(表1)を比較すると、農耕地土壌中カドミウムのプロセス定量分析に十分活用できる程度に、良く合う値が得られる。
4.
本法の分析操作は約100検体を処理する場合、試料液調製から測定まで、分析作業者1名、1日約6時間労働とし、約2日間の所要時間でできる。また、高度な化学分析技能は必要なく、加熱酸分解等を行わないのでドラフト等の化学実験室は必要ないが、換気のよい分析作業室が必要である。
5.
本法は、従来法に比較し迅速・簡便なプロセス定量分析法であり、農耕地土壌中カドミウム濃度の圃場・農業生産団地の選別予備調査ができる。
成果の活用面・留意点 1.
塩酸抽出の定量限界は、AASで直接測定:300~500ngg-1である。
2.
なお、本法はプロセス定量分析値であり、公的デ-タは別途定量分析する必要がある。
図表1 217907-1.gif
図表2 217907-2.gif
図表3 217907-3.gif
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