打込点播機の高密度千鳥状播種による「はえぬき」直播栽培の高位安定技術

タイトル 打込点播機の高密度千鳥状播種による「はえぬき」直播栽培の高位安定技術
担当機関 山形県立農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 菊池栄一
山下 亨
川崎聡明
嶋津 誠
中山芳明
後藤克典
大江栄悦 
発行年度 2000
要約 打込点播播種機を播種密度28.3株/㎡に高めて千鳥状に播種できるよう改良したことで、従来の市販機より出芽苗立ちおよび初期生育が安定し、この播種機利用による積雪寒冷地の湛水点播直播栽培では移植栽培並の収量・品質の確保が可能である。
背景・ねらい 直播栽培で移植並の収量を確保することは、低コスト生産により移植以上の所得確保が可能となり、直播面積の普及拡大へとつながる。また現在高精度の打込点播播種機が市販されているが播種量が少なく、苗立不足につながる場合がみられることから、積雪寒冷地での生育安定を図るために打込点播直播播種機の改良を行い、収量および品質を高位安定可能な生育および栽培技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 九州農試開発打込点播播種機(以下従来型と略)に8基ある播種ユニットを2基増設して条間30cmを条間23.5cmに狭めて播種密度を22.2株/㎡から28.3株/㎡に高めるとともに、播種装置の播種ロールを播種条1つおきに溝の位置を60度ずらすことで、千鳥状播種となるように改良した(以下改良型と略、図1,表1)。
     
  2. 出芽・苗立率は従来型と同等であるが、改良型では生育初期の茎数は安定して多くなり、その後の生育も全般に多めで推移する(表2)。
     
  3. 改良型の玄米重は従来型よりやや多くなる。収量構成要素では改良型は穂数や㎡籾数が多くなり、収量性を高めている(表2,表3,図2)。
     
  4. 播種が適期より遅れた場合や初期生育が不良な地域では改良型の収量が、従来型に比べて高まる。これは高密度千鳥播種することで、従来型より生育量確保が早くなり、穂数や籾数確保を容易にするためとみられる(表2,3,4)。
成果の活用面・留意点
  1. 適用地域は水稲品種「はえぬき」の直播栽培が可能な地域(8月15日まで出穂)で、適用土壌は、壌土~埴壌土とする。なお砂壌土では、施肥量と施肥時期が異なるので留意する。
  2. 苗立ち良好年次では、初期生育が旺盛となり過剰生育となる場合があるので、4葉期落水、5葉期以降の深水管理などの生育調節および5葉期追肥時の生育診断などの対応を行う。
図表1 231584-1.jpg
図表2 231584-2.jpg
図表3 231584-3.jpg
図表4 231584-4.jpg
図表5 231584-5.jpg
図表6 231584-6.jpg
カテゴリ 栽培技術 直播栽培 水稲 施肥 低コスト 播種 品種 水管理

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