タイトル |
クラスター分析による農業用水水質の類型化と水質評価 |
担当機関 |
福島県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
半澤勝拓
尾形 正
野木照修
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発行年度 |
2000 |
要約 |
農業用水の水質はクラスター分析により類型化が可能であり、地理情報システムによる土地利用状況と合わせて検討すると、地域の土地利用状況と水質汚濁程度の関係が判別でき、全窒素および全リン濃度で汚濁程度の評価できる。
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背景・ねらい |
水質の評価は、調査地点および分析項目を多く必要とするが、結果を単に農業用水基準と比較するだけでは、水質の総合的評価は困難である。そこで、膨大に蓄積された水質データを整理し、水質の汚濁程度を類型化するとともに、地理情報システムを活用し、地域の土地利用状況と水質の関係を解析する。
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成果の内容・特徴 |
- 1996年から2000年に調査した福島県内136ヵ所の農業用水のpH,EC,DO,SS,COD,T-N,T-Pの7項目の分析結果を、農業用水基準および環境基準値を100として変換し、クラスター分析を行うと、それぞれの分析結果が基準値を満たしているか否かによって類型化できる。(図1)。
- その結果、全項目とも基準を満たしている用水群(A群)、A群、C群に含まれない(B群)、T-N,T-Pが基準を越え、CODが基準なみである用水群(C群)に類型化された(表1)。
- 地理情報システムソフトを使用し、クラスター分析による類型化された群毎の、土地利用状況を解析すると、地域の土地利用状況と農業用水の水質との関係が把握できる(図2)。A群は取水河川上流に水田が少なく、山林面積が多い地域、B群は周辺に水田が多くみられる地域、C群は集落排水施設の整備などの水質保全対策が遅れている農村部や市街化区域周辺にそれぞれ分布している傾向がみられ、農業用水の水質は、地域の土地利用を反映している(図2)。
- T-NとT-P濃度との関係で3群を判別でき、どの群に属するかで汚濁程度が判断できる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
クラスター分析では、解析目的を明確にして使用しなければならない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
水田
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