タイトル |
青森県における高製めん適性小麦品種「ネバリゴシ」の採用 |
担当機関 |
青森県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
鎌田直人
岩瀬利己
熊谷憲治
高田 睦
森行勝也
西澤登志樹佐藤新吾
多田 久
大場貞信
長谷川夏子
渡邊智雄
肥口一雄
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発行年度 |
2000 |
要約 |
小麦「ネバリゴシ」は早生で、収量性、耐倒伏性、耐寒雪性、難穂発芽性に優れる。また、高蛋白、低アミロースで、製めん適性が高いことから、青森県産小麦の安定生産が期待できる。
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背景・ねらい |
青森県の小麦「キタカミコムギ」は晩生の多収品種であるが、雨害を受け易く品質低下等の問題が多い。また、低蛋白で、一部の需要を除き実需者の評価が低いため、流通上問題となっている。このため、高蛋白、低アミロース、高製めん適性といった実需者のニーズにかなう品質と加工適性を有し、栽培特性が優れる早生・多収品種の導入による麦作の安定化が要望されていた。
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成果の内容・特徴 |
- 「ネバリゴシ」は早生・多収、耐寒雪性、赤さび病抵抗性及び高製めん適性を育種目標に昭和62年度(昭和63年5月)に東北農業試験場において、早生、低アミロースでめんの粘弾性が優れた「関東107号」を母とし、耐寒雪性、赤さび病抵抗性で製めん適性が優れた「チホクコムギ」を父として交配して雑種第2代に個体選抜を行い、雑種第3代に半数体育種法(トウモロコシ法)を経過してから系統選抜を行い、以降系統育種法により選抜・固定を図ってきたものである。
- 播性程度はⅤで、成熟期は「キタカミコムギ」より5~8日早い。
- 稈長は「キタカミコムギ」より10㎝程度短く、耐倒伏性は強い。
- 耐寒雪性は「キタカミコムギ」よりやや強い。
- 穂発芽性は「難」である。
- 収量性は「キタカミコムギ」より多収である。
- 千粒重は「キタカミコムギ」よりやや軽い。
- 粒質は粉状質で、粒厚が厚く、粒揃いが良好で外観品質は良い。
- 60%粉粗蛋白質含量は「キタカミコムギ」対比で110%と高い。
- アミロース含量は「キタカミコムギ」対比で83%と低い。
- アミログラム最高粘度は「キタカミコムギ」より高い。
- ゆでめんの粘弾性に優れ、官能評点が高い。
表1.ネバリゴシの特性一覧
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成果の活用面・留意点 |
- 適応地帯は東北地方北部のキタカミコムギが栽培できる地域とする。
- 窒素の後期追肥により、原粒の粗蛋白含有率の向上に努める。
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図表1 |
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カテゴリ |
育種
加工適性
小麦
抵抗性
とうもろこし
品種
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