タイトル |
栽培が容易で良食味のアールス系メロン新品種「秋試交2号」 |
担当機関 |
秋田県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
椿 信一
佐藤孝夫
鈴木 基
三澤土志郎
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発行年度 |
2000 |
要約 |
抑制地床栽培用の緑肉アールス系メロン新品種「秋試交2号」を育成した。この新品種はコンパクトな草姿で、つる割病に抵抗性でうどんこ病に耐病性をもつため栽培が容易である。また球形で外観が優れ、糖度が高くメルティング質で食味が良い。
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背景・ねらい |
9月~10月に収穫する抑制メロンは、夏期冷涼な本県で有利な作目である。しかし、市販のアールス系メロン品種の利用では、食味で高級メロンである純系アールスに及ばないため、単価が安く栽培面積が伸びていない。そこで生産者の要請を受け、抑制栽培で純系アールス並の食味で、他産地と差別化できるオリジナルアールス系メロンの育成を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 「秋試交2号」はアールス系メロンと純系アールスのF1品種である。母体は「アールスセイヌ夏Ⅱ」の後代選抜固定系統で、果実外観と日持ち性に優れ、うどんこ病に強く、つる割病の抵抗性を保持している。父本は純系アールスの一品種「アールスフェボリット夏系」の選抜固定系統で、極めて食味が良い。
- 生育特性は、草丈が低く、葉が小さくコンパクトな草姿で着果が安定している。また収穫期まで葉色が濃く草勢が強く維持されるため、栽培が容易である(表1)。
- 果実外観特性では、大きさが適度で縦/横比が1.04と球形に近い。果皮色は灰緑で、ネットはやや細めながら密に発生して縦ネットと横ネットのバランスが良い(表2,写真1)。
- 果実内容特性は、糖度が高く、果肉色の黄色みが強く、果肉はメルティング質で純系アールスに極めて近い食味である。収穫後の適食期間は7日~12日程である(表3,写真1)。
- 病害抵抗性は、県内で最も栽培されている「アールスナイト夏系2号」と同程度である。つる割病(レース0,レース2)に抵抗性で、うどんこ病に対しては耐病性があり、軽度の発病は認められるが、罹病性の「アールスフェボリット夏系」と比較して明らかに強い(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本品種は高温適応性が高い反面、低温肥大性は劣るため、果実肥大期が高温期にあたるハウス抑制栽培(4月下~7月上旬播種、8月下~10月下旬収穫)に適応する。
- 市販品種同様、生育初期の土壌水分過多は果実品質を低下させるため、地下水位の高い水田転作圃場等では水分コントロールが容易な、30㎝以上の畝高を確保する。
- 栽培方法は、草勢を管理しやすい立栽培の1本仕立て1果どりを厳守する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
うどんこ病
新品種
水田
抵抗性
播種
病害抵抗性
品種
メロン
良食味
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