タイトル |
ダイコン収穫機の作業特性及び導入基準 |
担当機関 |
岩手県農業研究センター |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
八重樫耕一
大里達朗
細田耕平
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発行年度 |
2000 |
要約 |
だいこん収穫機は、傾斜10度までは十分に作業可能で、労働時間は慣行手収穫の1/3~1/2に省力化でき、作業負担も軽減される。また、本機の年間作業可能面積は自走式25ha、トラクタ装着式18haで、利用規模の下限は自走式20ha、トラクタ装着式9haである。
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背景・ねらい |
だいこんの収穫・調製作業は、全作業時間の約半分程度を占めているうえ、重労働であり省力化が望まれている。また、本県のだいこん主産地に多い傾斜地に適応した機械であることが、導入の前提条件ともなっている。そこで、最近開発された、だいこん収穫機の性能及び傾斜地適応性、作業負担度について検討し、導入基準を明らかにした。
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成果の内容・特徴 |
- だいこん収穫機の概要(表1,図1,2)
対象機種:K社 自走式だいこん収穫機 GRH-250K K社 トラクタ装着式だいこん収穫機 K・DH-210 両機種とも、だいこんの堀取りから葉切り、収納、運搬ができる乗用型全自動一斉収穫機で、マルチ栽培にも対応可能。また、自走式では、フレコン等のハンドリングがクレーンで容易に行うことができ、トラクタ装着式でも後方ダンプ方式により簡単に荷下ろしできる。 - だいこん収穫機の作業能率・傾斜地適応性及び精度、作業負担度(表2)。
1)作業時間は平地及び傾斜(10度)地ともほぼ同等で、自走式3.4h/10a、装着式5.4h/10aであり慣行手収穫の1/3(自走式)~1/2(装着式)の時間で作業できる。 2)両機種とも平地及び傾斜地をとわず、正常に生育しただいこんの抜き残しはなく、傷や割れ等の損傷も少なく作業できる。 3)後部収納作業者の作業負担は、自走式では慣行手収穫作業に比べ大幅に軽減される。また、装着式では、自走式に比べると負担が大きいが、慣行作業との比較では十分な作業負担軽減効果がある。 - 収穫機の導入基準:岩手県内県北・高冷地対象(表3)。
作業期間を6月下旬~11月上旬の143日とした場合、年間作業可能延べ面積は、自走式25ha、装着式18haである。また、収穫機を導入する場合の損益分岐点面積は、自走式20ha、装着式9haである。
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成果の活用面・留意点 |
- トラクタ装着式収穫機の成果内容は、後部収納作業者を基本設定の1人から2人へ増やし、作業速度を早く(平地:トラクタの速度メータ0.5㎞/h目標)した場合の結果である。
- 抽出根長が斉一になるような栽培管理が重要である。
- トラクタ装着式収穫機では、フレコンが満載状態になるとトラクタ前輪が浮き、旋回性能等が悪くなるため、トラクタ前部にバランスウエイト装着が必要となる。
- 両機種とも、傾斜地作業においては、登りと下りで速度が変化するため、後部作業者の処理能力に合わせながら、必要に応じて速度を調整し作業を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
傾斜地
栽培技術
収穫機
省力化
だいこん
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