「小石丸」の湯練り人工飼料育における諸形質

タイトル 「小石丸」の湯練り人工飼料育における諸形質
担当機関 福島県蚕業試験場
研究期間 1996~2000
研究担当者 瓜田章二
名倉明夫
発行年度 2000
要約 当場で継代中の原蚕種「小石丸」の湯練り飼料による1~4齢期人工飼料育は、蒸煮飼料の適用よりやや劣るものの、総じて飼育成績は良好となる。また、湯練り飼料の適用齢期を限定すれば、化蛹歩合等、蒸煮飼料の適用とほとんど遜色ない。
背景・ねらい 絹の消費ニーズや価値観の多様化が進展し、これに対応が可能な特徴ある絹糸の作出が求められている。そこで、高付加価値化に向けて、期待の大きい「小石丸」を用い、飼育作業の計画的進行、飼育労力の削減、蚕作の安定化および飼料コストの低減化を目指し、湯練り人工飼料育における、特にその適用期間と諸形質について検討する。
成果の内容・特徴
      
  1. 飼育量当たりの給餌量は、普通蚕品種の2/3程度と少なく(表1)、飼料コストは蒸煮飼料適用の1/2以下である。
      
  2. 飼育経過は、蒸煮飼料適用より1日程度長い(表2)が、普通蚕品種(春嶺×鐘月、錦秋×鐘和等)と比較して、全齢で2~3日程度短い。
      
  3. 化蛹歩合は、1~4齢期に蒸煮飼料を適用したものと比べて、湯練り飼料適用ではやや低くなるが、4齢期のみ湯練り飼料適用、1~3齢期湯練り飼料以降桑葉育では同等である(表3)。
      
  4. 繭重、繭層重についても化蛹歩合と同様の傾向である(表3)。
成果の活用面・留意点
     
  1. 飼育取り扱いは、「原蚕種飼育標準表」に準じる。
  2. 湯練り飼料は、普通蚕品種用(稚蚕用)の飼料に準じて調製する。
  3. 現在、当該蚕品種に適応する湯練り飼料の改質および高繭層歩合等系統の選抜(湯練り飼料適応)について検討中である。
  4. 本「小石丸」は、蚕糸・昆虫農業技術研究所遺伝素材研究室から分譲いただき、当場で継代した蚕種である。
図表1 231714-1.jpg
図表2 231714-2.jpg
図表3 231714-3.jpg
カテゴリ 高付加価値 コスト 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる