パクロブトラゾール剤処理によるシロクローバ種子生産性の向上

タイトル パクロブトラゾール剤処理によるシロクローバ種子生産性の向上
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1991~2000
研究担当者 S.Pasumarty(ニュージーランド国立マッセイ大学)
松村哲夫
樋口誠一郎
米丸純一
発行年度 2000
要約 シロクローバの種子生産で問題となる、頭花倒伏や腐敗、頭花上での発芽による頭花損失を、植物生長調節剤のパクロブトラゾールによる処理で軽減し、種子収量を向上させることができる。
背景・ねらい シロクローバは、効率的な種子の生産が難しく、特に開花~登熟期に多湿な条件となる国内で行われる育種家種子、原種種子の生産では種子収量が低く、育成品種の普及を妨げる一因となっている。そこで、種子収量を増加させるため、頭花の損失が種子収量を低下させる要因であることを明らかにし、アンチジベレリン効果を持つ植物生長調節剤パクロブトラゾールでの処理により損失を軽減する技術を開発した。
成果の内容・特徴
      
  1. 頭花の倒伏と腐敗、頭花上での発芽による損失で収穫頭花数が減少し、種子収量が低下する(表1)。
      
  2. 出蕾期に成分量1㎏/haのパクロブトラゾール剤を散布処理することにより、栄養生長が抑制され、形態が矮小化する(表2)。特に葉柄の短化程度が大きく、草冠上に位置する頭花の割合が増加する(表2,表3)。
      
  3. 頭花が草冠上で登熟する割合が増加することにより、倒伏や腐敗、頭花上での発芽による損失を軽減することができ、収穫頭花数、種子収量が増加する(表3)。
成果の活用面・留意点
     
  1. 育成場所での育種家種子の生産、種子増殖機関での原種種子の生産場面での種子収量向上技術の開発に活用する。
  2. 根部から吸収される割合が高いため、土壌水分量が低い時の散布は処理効果が低下する恐れがあるので避ける。
図表1 231727-1.jpg
図表2 231727-2.jpg
図表3 231727-3.jpg
カテゴリ 育種 収量向上 品種

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