タイトル | アブラナ科野菜根こぶ病の圃場診断と発病予測に基づく総合防除 |
---|---|
担当機関 | (独)農業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2001~2002 |
研究担当者 |
古谷茂貴 佐藤剛 宍戸良洋 村上弘治 對馬誠也 |
発行年度 | 2002 |
要約 | アブラナ科野菜を栽培する際に圃場実態を調査し、菌密度-発病度曲線(DRC)診断、病原菌密度の動態シミュレーションモデルによる予測等を行うことにより、アブラナ科野菜根こぶ病の総合防除ができる。 |
キーワード | アブラナ科野菜、根こぶ病、総合防除 |
背景・ねらい | アブラナ科野菜は野菜消費の大きな部分を占めているが、アブラナ科野菜を連作している産地では、被害の大小は別として根こぶ病の発生が顕在化しており、本病はアブラナ科野菜では最も重要な土壌病害となっている。この根こぶ病の防除はこれまで農薬に依存してきているため、環境に配慮し、化学合成農薬の使用量を削減して、アブラナ科野菜を安定的・持続的に供給するための総合防除技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. これまで得られた診断・防除技術を体系化した技術マニュアルを作成した。この技術体系は、聞き取り調査による圃場カルテ作成、実態調査、DRC(菌密度-発病度曲線)診断、菌密度動態予測モデル、個別防除技術メニューからなり、DRCを利用して土壌の発病しやすさとその後の菌密度動態をシミュレートできるところが大きな特徴である。 2. マニュアルにそって、発病のしやすさ(DRC推定)と菌密度測定及びその後の菌密度の変動の推定、前歴などから防除方針を策定することで化学農薬の削減が可能になる(図1)。 3. 上記の考えに基づいて福島県白河市のブロッコリーの現地圃場において試験区の設定を行い(表1)、4年間の実証試験を行ったところ、化学合成農薬を用いなくとも根こぶ病の防除が十分にできる(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本病防除薬剤のフルスルファミド粉剤を処理した圃場では、おとり植物による病原菌密度低減効果は得られない(平13成果情報)。 2. 技術マニュアル(アブラナ科野菜根こぶ病総合防除マニュアル-研究者・指導者用技術マニュアル-Ver.2.0)及び休眠胞子密度動態モデルについては別途提供を受けることができる(問合せ先:上記連絡先)。 3. 研究者が総合防除を立案する際、あるいは農業指導者が生産者に総合防除に関する教育等を図る際にマニュアルを活用できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 病害虫 あぶらな 総合防除技術 動態シミュレーション 農薬 ブロッコリー 防除 薬剤 |