オウトウの双子花の発生要因と遮光による発生防止法

タイトル オウトウの双子花の発生要因と遮光による発生防止法
担当機関 山形園試
研究期間 2000~2002
研究担当者 高橋和博
須藤佐藏
工藤 信
発行年度 2002
要約 オウトウの双子花は、樹冠上部の日当たりの良い部位に多く発生し、花芽のがく片形成期から雄ずい形成期の間の高温によって発生が助長される。双子花発生防止技術としては、7月中旬頃から9月上旬頃までに45%程度の遮光資材で遮光すると良い。
キーワード オウトウ、双子花、双子果、遮光、花芽
背景・ねらい オウトウの双子花の発生は、前年の夏季の高温乾燥によって発生が助長されるとされているが不明な点が多い。そこで、オウトウの双子花の発生様相と発生要因を明らかにするとともに、遮光による双子花の発生防止法を確立する。
成果の内容・特徴 1.
双子花の発生部位
双子花は、樹冠上部の日当たりの良い東~南向きに多く発生する(表1)。
2.
双子花の開花時期
開花期が早い花に双子花が多い(図1)。
3.
双子花の発生要因
双子花は、花芽分化のがく片形成~雄ずい形成期間の高温遭遇で発生が助長される(図2)。また、この分化ステージは年次変動がみられるが、概ね7月中旬頃~9月上旬頃に相当することから、この時期の高温回避により双子花の発生を防止できる(データ未掲載)。
4.
遮光による双子花発生防止法
遮光処理により2~4℃程度の樹体温の低下を図ることが可能であり(表2)、45%程度の遮光資材を用いた樹の遮光は、花芽形成への影響が少なく、双子花の発生を防止できる(表3)。
成果の活用面・留意点 1.
遮光処理の試験は、光環境が良好な鉢植えのオウトウ樹での結果である。また、遮光することにより、耐凍性の低下、花芽の充実不足および結実不良への影響が懸念されるが、70%程度の遮光では冬季の凍害発生(-20℃8hr処理)、花芽および結実への悪影響がないことが確認されている。ただし、地植えの成木樹に対して遮光処理する場合は、樹冠内の光環境に留意する。
2.
がく片形成から雄ずい形成期までの花芽分化は年次変動が大きく、山形県におけるこの分化ステージはおおよそ7月中旬から9月上旬頃の間で変動していることから、遮光処理は収穫後の7月中旬から9月上旬頃までの期間が望ましい。また、地域によっても花芽分化期が異なることから、花芽分化ステージに合わせた遮光が必要である。
3.
遮光により葉色が濃くなり、早期落葉を防止できる。
図表1 231877-1.gif
図表2 231877-2.gif
図表3 231877-3.gif
図表4 231877-4.gif
図表5 231877-5.gif
カテゴリ おうとう 乾燥 凍害

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる