寒冷地における水稲ロングマット水耕苗育苗・移植技術

タイトル 寒冷地における水稲ロングマット水耕苗育苗・移植技術
担当機関 岩手農研セ
研究期間 1999~2002
研究担当者 大里達朗
伊藤勝浩
鶴田正明
尾形茂
細田耕平
高橋 修
発行年度 2002
要約 水稲のロングマット水耕苗を用いた育苗・移植作業は、苗の取扱量が減少するため、単位面積当たりの労働負担(作業負担度)は大幅に軽減され、作業時間は慣行の土付き苗移植対比で、育苗で74%、田植えで56%の時間で作業できる。寒冷地では、加温育苗した育苗日数15日程度の苗を用いることで田植え後の植え傷みを抑えることができ、通常の田植機に簡易な苗押さえ装置を取り付けることで移植作業精度が向上する。
キーワード ロングマット水耕苗、苗運搬軽労化、省力化
背景・ねらい 現在の水稲移植は、土を利用した箱苗の育苗・移植作業が主流である。移植時の水を含んだ苗は約7kgもあり、ha当たり概ね200箱以上の苗箱運搬作業は、ほ場の大区画化が進む一方で、規模拡大の妨げとなっている。
このことから、開発されたロングマット水耕苗育苗移植方式について、岩手県における寒冷地適応性を検討し、現地での導入の指針とする。
成果の内容・特徴 1.
水稲のロングマット水耕苗移植技術は、慣行土付き苗移植に比べて苗の取扱総質量が大幅に軽減されることから、作業時間は育苗作業で慣行対比74%、田植え作業で同じく56%に省力化される(図1)。
2.
苗の取扱量の減少により苗運搬作業の軽労化が図られる。ha当たりの労働負担(作業負担度)を慣行作業と比較すると、苗運搬作業で慣行対比15%、田植え作業時の苗補給で同じく49%と大幅に軽減される(図1)。
3.
寒冷地においては、水耕養液を加温した育苗日数15日程度の苗を用いることで、田植後の植え傷み(葉の黄化、葉先枯れ)を抑えることができる(表1)。
4.
田植え機に簡易な苗押さえ装置を取り付けることで移植作業精度が向上し、作業速度も慣行移植作業並みに確保でき作業時間が短縮されるなど省力効果が発揮できる(写真1,表2)。
5.
現地実証試験では、収量慣行比96%と実用性が確認された(表3)。
成果の活用面・留意点 1.
苗ホルダ-と苗押さえ装置を加えることで通常の田植機が利用できる。なお、1メ-カ-より田植機を限定してのオプションとして用意されている。
2.
苗の巻き取り補助装置については、現在、市販化が検討されている。
図表1 231907-1.gif
図表2 231907-2.gif
図表3 231907-3.gif
図表4 231907-4.gif
図表5 231907-5.gif
カテゴリ 育苗 規模拡大 軽労化 市販化 省力化 水稲

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