良質良食味水稲糯新品種「もちむすめ(東北糯175号)」の採用

タイトル 良質良食味水稲糯新品種「もちむすめ(東北糯175号)」の採用
担当機関 宮城県古川農業試験場
研究期間 1999~2002
研究担当者 佐々木美和
佐藤泰久
我妻因信
日塔明広
武田良和
添田哲男
発行年度 2002
要約 水稲「もちむすめ」は、宮城県では“晩生の早”に属する糯系統である。耐倒伏性などの栽培特性は「こがねもち」より明らかに優れており、収量・玄米品質・食味は同等であることから、宮城県の奨励品種として採用する。
キーワード もちむすめ、宮城県、晩生、もち、耐倒伏性、食味
背景・ねらい 宮城県における水稲糯品種の作付面積の95%を占めている「みやこがねもち」(「こがねもち」と同一品種、宮城県のみで使用する名称)は、食味の良さから全国的評価は高いが、倒伏等による発芽粒の発生のため、品質の不安定さが問題となっている。そこで、良食味で栽培特性の優れた糯品種として、宮城県古川農業試験場において育成された「もちむすめ」を奨励品種に採用し、県内産糯米の品質の安定化を図る。
成果の内容・特徴
  1. つき餅の食味は「こがねもち」並の良食味である(表1)。
  2. 「こがねもち」よりも短稈であり、明らかに倒伏に強い(表2)。
  3. 「こがねもち」よりも穂発芽しにくいため、品質が低下しにくい。
  4. 収量は北部平坦・南部平坦ともに「こがねもち」並であるが、「こがねもち」よりも千粒重が小さく、穂数がやや少ないため、若干低収になる場合がある(表2)。
  5. 玄米の外観品質は「こがねもち」並である(表2)。
  6. 出穂期・成熟期は「こがねもち」並~やや遅く、宮城県における早晩性は“晩生の早”である(表2)。
  7. 餅加工業者による加工適性評価は、「こがねもち」と同等であり、特につき餅の評価が高い(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 晩生系統であることから、栽培適応地帯は標高100m以下の県下一円とする。普及見込み面積は600haである(図1)。
  2. 収量を確保するため、初期生育の促進及び適正な水管理により穂数確保に努める。また、玄米千粒重の低下を防ぐため、減数分裂期追肥により登熟向上に努める。
  3. 「こがねもち」よりも倒伏に強いが、耐倒伏性“中”であることから、極端な多肥栽培は避ける。
  4. 葉いもち・穂いもち圃場抵抗性が“中”なので、適期防除を行う。
  5. 白葉枯病抵抗性が“やや弱”なので、常発地では栽培を避ける。
図表1 231918-1.gif
図表2 231918-2.gif
図表3 231918-3.gif
図表4 231918-4.gif
カテゴリ 病害虫 加工 加工適性 新品種 水稲 抵抗性 品種 防除 水管理 良食味

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