ウシ胚由来未分化細胞の樹立と核移植胚の発生能

タイトル ウシ胚由来未分化細胞の樹立と核移植胚の発生能
担当機関 山形農研セ
研究期間 2001~2003
研究担当者 小林正人
菅和寛
星宏良
青柳和重
千代豊
齋藤真希
齋藤朗子
発行年度 2002
要約 ウシ胚由来の未分化細胞を無血清及び無フィーダーにより樹立した。また、この細胞を用い核移植したところ、胚の生産が可能で胚移植により受胎することが確認された。
背景・ねらい 遺伝的にほぼ同一の個体を生産できる核移植技術は、家畜改良への貢献が期待される。しかし、初期胚をドナーとした核移植では、ドナー細胞の数的制限のため複数以上のクローン個体を得るのが困難である。一方、体細胞クローンは提供した細胞の個体と同じ個体しか作出されず、育種的効果は少ない。そこで、本技術の確立により、ドナー細胞の段階で遺伝子診断が可能となり、選別したクローン産子が得られ育種改良に貢献できる。
成果の内容・特徴 1.
体外受精で得た拡張胚盤胞の内部細胞塊をI型コラーゲン薄膜層上で無フィーダーで無血清増殖培地を用いて培養すると、培養開始後3 4日目で細胞の伸展と活発な細胞増殖が観察され、培養11日目で細胞数は数千のレベルに達した。(図1)
2.
増殖した細胞は、内部細胞塊由来のものと栄養膜由来のものに区分され、アルカリフォスファターゼ染色では、内部細胞塊由来の細胞が強く染色され、栄養膜由来細胞は全く染色されなかった。(図2)
3.
テロメラーゼ活性を検討した結果、両細胞ともテロメラーゼ活性が認められた。(図3)
4.
内部細胞塊由来細胞をドナーとした核移植で、胚盤胞が発生(発生率22.2%)した。(表1)
5.
移植成績は、新鮮胚で7頭、凍結融解胚で1頭の受胎が確認された。(表2)
成果の活用面・留意点 1.
育種手法に取り入れることにより、効率的な選抜が可能となる。
図表1 231972-1.gif
図表2 231972-2.gif
図表3 231972-3.gif
図表4 231972-4.gif
図表5 231972-5.gif
カテゴリ 育種

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