揃いの良い加工用ダイコン新品種「秋試交2号」の育成

タイトル 揃いの良い加工用ダイコン新品種「秋試交2号」の育成
担当機関 秋田総食研
研究期間 1987~2002
研究担当者 椿信一
檜森靖則
佐藤孝夫
鈴木基
三澤土志郎
菅原久春(秋田総食研)
発行年度 2002
要約 「いぶりたくあん漬」への加工適性が高い加工用ダイコン新品種「秋試交2号」を育成した。このF1品種は、根肌が美しく肉質が緻密で、商品率が高く揃いが良い。また、加工後の歩留りが高く、食感も良好である。
キーワード いぶりたくあん漬、加工用ダイコン、新品種、秋試交2号
背景・ねらい 秋田県の特産品として知られる「いぶりたくあん漬」の原料には、含水率が低く肉質の硬い加工専用品種が適している。これまで長期間主要品種であった「改良秋田」は、根部の肥大が遅く収量も低いことなどから、ここ数年、これに代わって肥大力旺盛な「山形」が用いられるようになってきた。「山形」は根重が大きく「ス」が入りにくいなどの長所がある反面、根形が不揃いで商品率や商品収量はやや低い。そこで肥大力が旺盛で揃いも良く、収量の高い加工用ダイコンの育成を図った。
成果の内容・特徴 1.
「秋試交2号」は、1987年に秋田市内より収集した在来種「秋田」の選抜固定系統(AK-1)と、1995年に導入した市販品種「山形」の選抜固定系統(YM-1)を、自家不和合性を利用して交配育成した正逆交配によるF1品種である。
2.
根外部特性は、肥大が旺盛で、「山形」より根長が長く、根重がやや大きい。根形は、中ぶくれ型の「山形」に対して「改良秋田」と同様の先流れ型である。根肌に細根や「横すじ」が少なく、綺麗で加工に適している(図1、表1)。
3.
根内部特性は、硬度が「山形」より硬く「改良秋田」とほぼ同等であり、含水率でも、「山形」と「改良秋田」の間に位置し、肉質は緻密で「いぶり」に適している。甘味と共に辛味も強い。収穫が遅れると軽度の「ス」が入ることがある(表1)。
4.
商品率が85%と高く、収量は「山形」や「改良秋田」より高い。商品の根長、根径および根重の変動係数(CV)は、「山形」や「改良秋田」より小さく、商品の揃いも良い(表2)。
5.
加工特性は、乾燥後の歩留り、漬込み後の歩留り共に高く、製品歩留りが30.5%と「山形」より高く「改良秋田」と同程度である。製品の硬さが中程度で、パリッとした歯触りで食感が良好である(表3)。
成果の活用面・留意点 1.
根部肥大の早晩は「山形」よりやや早く、晩播適応性が高い。播種期は県内平坦部で8月中~8月下旬である。
2.
収穫遅れは「ス入り」を招きやすいため、根重900~1000gを目安に、播種後70~80日の10月下~11月中旬に早めに収穫する。
3.
2002年度中に品種登録の申請を予定している。
図表1 231994-1.gif
図表2 231994-2.gif
図表3 231994-3.gif
図表4 231994-4.gif
カテゴリ 加工 加工適性 加工特性 乾燥 新品種 だいこん 播種 品種

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