タイトル | だいず膨化菓子は二段階膨化法で品質が良くなる |
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担当機関 | 岩手農研セ |
研究期間 | 2001~2002 |
研究担当者 |
上山純子発表論文等 |
発行年度 | 2002 |
要約 | ダイズを膨化菓子に加工する際に、製造機の解放圧力4kgf/cm2で種皮に傷をつけて、放熱後再び解放圧力6~7kgf/cm2で膨化乾燥させることで、解放圧力7kgf/cm2の一段階の膨化乾燥よりも良品の割合が高くなる。この方法で製造したダイズ膨化菓子は、外観が揃っているためクッキータイプのせんべいやチョコレート菓子の副原料として適している。 |
キーワード | 膨化菓子・農産加工・ダイズ |
背景・ねらい | 水田でのダイズ生産が拡大しており、その加工利用をすすめる必要がある。県内では、豆腐製造会社による県産ダイズの利用がすすめられているが、農産加工場面では豆腐製造はもとより、産直での需要に対応したきめ細かな加工品の製造・販売が求められている。そこで、ダイズの簡単な一次加工品として、膨化菓子の製造法の改良とこれを用いた菓子類の加工について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ダイズを膨化菓子に加工する際に、製造機の解放圧力4kgf/cm2で種皮に傷をつけてから、室温程度まで放熱後、再び解放圧力6~7kgf/cm2で膨化乾燥させること(以下、二段階膨化法)で、解放圧力7kgf/cm2の一段階の膨化乾燥よりも良品の割合が高くなる。従来の一段階の膨化乾燥では解放圧力の上昇とともに種皮のねじれ・砕け等の発生が増加し、良品の割合が極端に低下するが、二段階膨化法では、良品の割合が94%まで向上できる。(図1) 2. 解放圧力7kgf/cm2では、一段階の膨化乾燥の方が二段階膨化法よりも膨化菓子の押しつぶし抵抗が小さく硬さに差が認められるが、加工上支障のない程度である。(図2、表1、表2) 3. 二段階膨化法で製造した膨化菓子は、外観が揃っていることから、常に販売されているシュガーコーティング以外に、これまで砕けや硬さからダイズを用いていなかったクッキータイプの南部せんべいやチョコレート菓子に、副原料として利用しやすい。(図5) ア クッキータイプ南部せんべい:焼き菓子の生地に膨化ダイズを粒のまま埋め込み焼き上げる。(現在は、ピーナッツを用いた製品はあるが、ダイズを用いた製品はない) イ チョコレート菓子:膨化ダイズを粒のまままたはクランチに加工し、溶解したチョコレートと混合し冷やし固める。 ウ ケーキ類:膨化ダイズをクランチに加工し、焼く直前のケーキ生地にトッピングする。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 適応地帯または対象者等 ア 適用地帯 県内全域 イ 対象者等 農産加工組合、業者、団体等でダイズを利用した菓子製造を希望する場合に製品開発指導の参考となる。 2. 期待する活用成果 ダイズを用いた菓子類の製品開発・販売 3. 成果活用上の留意事項 ア 種皮にひびが入る圧力、子実が砕け整粒割合が著しく低下する二次圧力はダイズ品種、産年度、また使用機械等によっても異なるため、原料が変わる都度調整が必要であるが、調整後の仕上がりは同等である。 イ 膨化菓子をケーキ類等高水分の生地(バッター)に混ぜ込む場合は、膨化ダイズが水分を吸収し食感が損なわれ、生地も水分を失い硬くなりやすい。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
図表5 | |
図表6 | |
図表7 | |
カテゴリ | 加工 乾燥 水田 大豆 ナッツ 品種 |