タイトル | 氷雪と真空断熱パネルを利用した利雪型簡易高湿予冷庫の開発 |
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担当機関 | 岩手農研セ |
研究期間 | 1999~1999 |
研究担当者 |
平渕英利 |
発行年度 | 2002 |
要約 | プレハブ予冷庫内に氷雪を積載することにより、庫内を平均湿度95%程度の高い湿度にすることができ、かつ庫内温度の安定化も図ることができる。また、熱透過率を最大47%削減可能な真空断熱材組込式硬質ウレタンフォームパネルを開発した。 |
キーワード | 氷雪、真空断熱パネル、簡易高湿予冷庫 |
背景・ねらい | 一般の強制通風式簡易予冷庫は、安価ではあるが水分損失による鮮度低下が問題となるが、高い湿度保つためには、高価な施設が必要である。これらのことから、予冷庫への高湿度付与と消費電力量の削減をねらいとし、冬季の積雪を利用した利雪型簡易予冷庫を開発する。 |
成果の内容・特徴 | (1) 強制通風式予冷庫では40~80%程度の範囲で湿度が変動するのに対して、冬季の氷雪をプラスチックコンテナに圧縮詰込し、簡易予冷庫内に積載することにより、予冷庫内の相対湿度を90%以上(平均95%以上)に保ち、かつ庫内温度安定化に効果がある(図1,2)なお、クーラーユニットの温度設定は、予冷農産物の凍結温度により変更する。 (2) 一般の簡易予冷庫の断熱材として使用される硬質ウレタンフォームパネルに真空断熱材を組み合わせることにより、熱透過率を最大約47%削減可能である(理論値、図3)。 (3) クーラーユニット稼働量は、真空断熱材組込式硬質ウレタンフォームパネルの利用により約23%、また、氷雪積載を併用することにより、最大約42%削減可能である(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | (1) これまでに冷温高湿予冷庫で実施した青果物保存試験結果より、野菜や花きなどの保蔵に広く活用可能と考えられるが、農産物貯蔵試験は実施していない。 (2) 農産物の予冷や貯蔵に伴う温度上昇により、クーラーユニットの稼働量は増加し、また、圧雪の保持期間が短縮されるが、湿度条件は大きく変化しない。 なお、2坪予冷庫に3月1日に圧雪量3,700kgを積載した場合の理論値上の完全融解は、7月末頃である。クーラーユニットを稼働した場合は8月以降まで残存する(気温:北上平年値、クーラーユニット稼働なし、未開閉)。 (3) 真空断熱材組込式硬質ウレタンフォームパネルを使用した簡易予冷庫は消費電力の削減が可能で鮮度保持能力に優れるが、導入コストが一般簡易予冷庫より高価となる(表2)。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | くこ コスト |