リンゴの低樹高栽培を実現する改良ソーレンと改良ソラックス樹形

タイトル リンゴの低樹高栽培を実現する改良ソーレンと改良ソラックス樹形
担当機関 宮城農園研
研究期間 1999~2003
研究担当者 安江恵美子
鎌田賢治
菊地秀喜
池田裕章
発行年度 2003
要約 リンゴのわい化栽培において、主幹形に代わって改良ソーレン、改良ソラックス樹形を用いるとJM5を中間台として使用した場合には結果部位を1.5~2.0mまでに、JM7を使用した場合には結果部位を2.5mまでに抑えることができる。
キーワード リンゴ、わい化栽培、低樹高、JM5、JM7、改良ソーレン、改良ソラックス
背景・ねらい 従来、リンゴのわい化栽培の樹形は主幹形が主に用いられているが、樹齢の増加と共に樹冠内部の光環境の悪化、高樹高化により、収量の低下、樹冠内部の果実の品質低下が問題になっている。このため、低樹高による省力化が可能で、樹冠内の光環境に優れた新しい樹形が求められている。そこで、フランスで開発されたソーレン樹形とソラックス樹形に誘引針金を設置する等の改良を加えた樹形を考案し、低樹高化と省力化を実現する。
成果の内容・特徴 1.
樹形を改良ソーレン(図1)または改良ソラックス(図2)にした品種「ふじ」でJM5またはM.27を中間台木とし、補助根としてマルバカイドウを用いると、結果部位の上限は1.5~2.0mになり、同じ台木の主幹形に比べると低樹高化が実現できる。すべての作業が脚立なしに行える(表1)。
2.
樹形を改良ソラックスにした品種「ふじ」でJM7を台木として用いると、結果部位の上限は2.5mになり、同じ台木の主幹形に比べると低樹高化が実現できる。
3.
JM5またはM.27を中間台木とし、補助根としてマルバカイドウを用いた時の1樹当たりの収量は改良ソラックス、改良ソーレンとも10kg前後で、主幹形が18kg前後であるのに比べて少ない(表1)。10a当たりの収量は改良ソラックス、改良ソーレンともに3.3tであり、1果重が350g前後あることから収量水準としては十分である。
4.
JM7を台木に用いたときの改良ソラックス樹形の1樹当たりの収量は、成木時で40kg程度で主幹形とほぼ同じである。
5.
摘果、誘引、葉摘、収穫に要した時間は、誘引を除いて主幹形よりも短縮できる。改良ソーレン、改良ソラックスは脚立の使用が少ないため、非常に作業は楽である。誘引に要する時間と主幹形の枝つりの時間はほぼ同等である(表2)。
6.
改良ソーレン、改良ソラックス樹形にした「ふじ」の果実品質は、主幹形とほぼ同等である(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
改良ソーレン、改良ソラックス樹形とも、図1、2に示したように、足場パイプ、クランプ、針金を用いて、樹形を形作る。
2.
主幹に配置する側枝の数は、おおむね25cm間隔に1本とする。
3.
主幹延長枝が補助支柱上に配置され、そこから側枝候補の新梢が選べるようになったら、毎年7月から8月にかけて新梢を下垂誘引する。
4.
仕上げ摘果と同時並行的に、花芽分化前の5月下旬から7月上旬にかけて、摘心を行う。側枝基部にある将来側枝の更新候補になる新梢を除いて、側枝上にある果台枝も含めた新梢を基部から長さ5cmで摘心する。
カテゴリ 省力化 台木 低樹高 品種 りんご わい化

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