タイトル | リンゴにおける食味本位こだわり品の販路拡大方向 |
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担当機関 | 山形農試 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
鈴木 洋 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 葉取らず栽培等による食味本位品への消費者の評価は高く、特徴は甘さと果汁の多さである。小売店の独自商品ブランド化に対応したこだわり商品を求める消費者層を標的としたニッチ戦略による「地域密着こだわり型スーパーマーケット等」への販路拡大が有効である。 |
キーワード | 食味本位こだわり品、ニッチ戦略、地域密着こだわり型スーパー |
背景・ねらい | 山形県では葉とらず栽培等による食味本位リンゴ生産が注目されているが、技術開発とともに生産果実の特徴を踏まえたマーケティング方策が求められているので、流通段階や消費者評価を明らかにし、これらを踏まえた販路拡大方策を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 山形県内の葉取らず栽培による生産果実への消費者評価は、果実の着色等の外観は劣るが高糖度で、果汁の多さが特徴である。また、葉を摘まない特別栽培品(こだわり品)としても好評であり、付加価値も期待できる(図1、表1)。 2. 葉とらず栽培等の食味本位リンゴの多くは産地ブランド品として独自の流通チャネルで出荷販売されており、出荷先の卸会社では、良食味に加え着色(外観)への要求が概して強い一方、仲卸・小売ではこだわり性を評価しており、顧客層は固定客が主である(表2)。 3. 食味本位こだわり品を求める顧客層への需要拡大が期待できるので、小売の商品ブランド化に対応した閉鎖的な流通チャネルによる、産地から小売段階まで統合した「標的顧客」に重点をおいた出荷・販売対策が有効である(表2)。 4. 食味本位リンゴの商品ポジションは、高成長性・低市場シェアであるので、マーケティング方策はニッチ戦略となり、販路拡大の方向は、「食味本位品」の特徴を顧客へ訴求可能な「地域密着のこだわり型スーパーマーケット等」が考えられる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 販路拡大にあたっては、既成商圏と重ならないように調整した市場開拓を行う。 2. 新規参入の場合は、小売段階と協働した消費者への販売訴求に心がける。 |
カテゴリ | 出荷調整 需要拡大 良食味 りんご |