タイトル | ヒエの粒形を残したレトルト粥の製造技術 |
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担当機関 | 岩手農研セ |
研究期間 | 2000~2003 |
研究担当者 |
平渕英利 菅原豊司 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 白干し法で精白したヒエのレトルトパウチ粥の製造工程において、玄穀を洗浄後、レトルト加工前に蒸気加熱処理を行うことにより、ヒエ穀粒同士の結着を抑制でき、食味が向上する。 |
キーワード | 白干しヒエ、レトルト加工、蒸気加熱処理 |
背景・ねらい | 岩手県は県北部や花巻地域を中心として雑穀の生産が比較的盛んであり、ヒエの生産は日本一である。しかし、雑穀は玄穀での販売が多く、付加価値を付けた加工品の開発は十分とは言えなかった。そこで、乾燥した玄穀を精米機で研磨精白する方法(白干し法)で精白したヒエ(以下、白干しヒエ)を原料とした特色ある加工品の製造技術を開発することにより加工販売促進の一助とする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 白干しヒエを洗穀後、蒸気加熱処理することにより、レトルトパウチ粥の加工時におけるヒエ粒の結着を抑制することができ、つぶつぶ感を活かした粥が製造できる(図1、表1)。 2. 蒸気加熱処理条件は約105℃の場合40~60分である。蒸し上がり後は特に冷却工程を要しないが、かき混ぜてほぐすようにする。加水率は5倍程度が適する(表1)。 3. 蒸気加熱処理したレトルトパウチヒエ粥と、通常調理したヒエ粥、レトルト白米粥、通常調理した白米粥の4種類の食味アンケートによれば、蒸気加熱処理したレトルトパウチヒエ粥は、通常調理のヒエ粥に比較してヒエ粒の残存性が良好で、また、口当たりなどが改善され食感及び食味官能に優れる(表2、図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 加水率が低くなるほど、ヒエ粒同士が結着しやすくなる。 2. 油分を含む副原料を入れた調味粥では結着しにくくなるものの、条件により結着が生じる場合があるため、その際も同様に蒸気加熱処理が有効である。 3. 白蒸し法や黒蒸し法で精白したヒエは結着しにくいことから、蒸気加熱処理は不要である。 4. 白粥、塩味粥、和風調味粥、洋風調味粥の4種類のレトルトパウチヒエ粥を試作し消費者アンケートを実施したところ、和風調味粥は30代、40代及び女性の評価が高く、洋風調味粥は副原料のバターの脂っぽい味がヒエの健康志向イメージと合致せず評価は高くなかった。 |
カテゴリ | 加工 乾燥 ひえ 良食味 |