1−デオキシノジリマイシンを生かす桑葉の素材、加工法

タイトル 1−デオキシノジリマイシンを生かす桑葉の素材、加工法
担当機関 福島ハイテク
研究期間 2002~2004
研究担当者 齋藤裕子
木村俊之(東北農研セ)
野木照修(福島県農試梁川支場)
発行年度 2003
要約 1-デオキシノジリマイシンを生かす桑葉素材は、現在広く植栽されている品種(改良鼠返)で、6月の新葉を用い、加工コストの低い熱風乾燥をすることにより、効率的に得ることが可能である。
キーワード 桑、1-デオキシノジリマイシン(DNJ)
背景・ねらい 1-デオキシノジリマイシン(DNJ)はブドウ糖の類似化合物であり(図1)、消化管において糖質の分解酵素であるグルコシダーゼの阻害剤として働き、食事後の血糖値の上昇を抑制する。このDNJは桑葉に比較的豊富に含まれ、桑葉の新たな需要を喚起する機能性成分として注目される。現在、茶、サプリメントなど種々の形態の“桑DNJ”が開発、商品化されている。しかしながら、従来、DNJの定量は困難であったため、原料である桑葉のDNJ含有量や、加工方法による影響について、ほとんど検討されていなかった。そこで、我々が開発したDNJの定量法を用い、DNJをより効率的に得られる素材化方法を確立するため、桑葉の品種、採取時期、採取部位(素材)および桑葉加工において最も重要な過程である乾燥法(加工法)の検討を行った結果を提供する。
成果の内容・特徴 1.
同一試験地(福島県農業試験場梁川支場)、同一条件下で栽培された桑3品種「しんけんもち」「改良鼠返」「きぬゆたか」について比較すると、葉乾燥粉末におけるDNJ含有量の品種間に大きな差は認められない(図2)。このことから、現在多く栽培されている品種(改良鼠返)の有効活用が可能である。
2.
乾燥方法(真空凍結乾燥、低温除湿乾燥、熱風乾燥)について比較すると、乾燥方法の違いによりDNJ含有量に大きな差は認められない(図3)。このことから加工コストの低い熱風乾燥法でもDNJを生かした素材が得られる。
3.
桑葉の採取時期、採取部位について比較すると、3品種とも採取時期は9月より6月でDNJ含有量が多く、部位は枝の上部の方が下部より多い(図4)。DNJを生かした素材を得るためには、6月の新葉が適している。
4.
これらの事からDNJの桑葉の効率的な加工法には、(1)品種は現在広く植栽されている品種(改良鼠返)でよく、(2)6月の新葉を用い、(3)加工コストの低い熱風乾燥処理をすることが望ましい。
成果の活用面・留意点 1.
DNJを生かした桑葉加工開発に適用でき、桑葉加工品の品質向上が可能である。
2.
桑葉の新規需要を喚起し遊休桑園の桑の有効活用が可能である。
カテゴリ 加工 乾燥 機能性成分 コスト 品種 品種改良

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