フラットベッドスキャナ利用による土壌全炭素含量の簡易推定法

タイトル フラットベッドスキャナ利用による土壌全炭素含量の簡易推定法
担当機関 岩手農研セ
研究期間 2003~2004
研究担当者 高橋良学
長谷川辰雄(岩手県工業技術センター)
発行年度 2003
要約 フラットベッドスキャナを用いて得られる湿潤土壌の画像をパソコンで解析し、その赤色輝度平均値を求めることにより、土壌の全炭素含量を簡易に推定することができる。
キーワード 土壌全炭素、簡易推定、スキャナ
背景・ねらい 土壌の全炭素含量は、土壌の性質を評価する上で、非常に重要な項目である。しかし、その分析法は難しく簡易に分析するためには高額な機器が必要なため、農業改良普及センター等による土壌診断では分析されていない。
そこで、土壌全炭素含量の簡易評価を可能とするため、土色と土壌全炭素含量との間に密接な関係があることに着目し、市販のフラットベッドスキャナと画像解析ソフトウエアを用いて推定する方法を考案し、その実用性を検討した。
成果の内容・特徴 1.
フラットベッドスキャナを利用して得られる湿潤土壌の画像の赤色輝度平均値は、土壌全炭素含量との相関が高く、これにより土壌全炭素含量を簡易に推定する事ができる(図1)。
2.
フラットベッドスキャナを用いた土壌全炭素含量推定は以下の手順で行う(図2)。
1)
ガラスシャーレ(外径30mm)に2mmのふるいを通した風乾細土を封入し、最大容水量以上の水を加え水分飽和状態とする。
2)
シャーレをフラットベッドスキャナに乗せ、300dpiでシャーレ底面の画像を得る。
3)
画像解析ソフトにより、シャーレ底面の画像の全画素について赤色輝度値の平均値を算出する。
4)
回帰式より、算出された赤色輝度平均値から土壌全炭素含量を推定する。
3.
同一サンプルの赤色輝度平均値を3反復で測定した結果、その標準偏差は平均値の1%程度である(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
供試土壌は、土壌環境モニタリング調査にて採取した岩手県内の水田および畑土壌(黒ボク土17点、非黒ボク土11点)である。
2.
フラットベッドスキャナによって得られる土壌画像の色合いは、フラットベッドスキャナの機種や取り込み条件によって異なるので注意を要する。
3.
本技術内容は特許出願中であり、効率的に土壌全炭素含量の推定を行うための専用土壌容器および全炭素含量推定ソフトウエアを岩手県工業技術センターと共同開発中である。
カテゴリ 水田 土壌環境 土壌診断 モニタリング

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