県内堆肥センター産堆肥を用いた水稲50%減化学肥料栽培の可能性

タイトル 県内堆肥センター産堆肥を用いた水稲50%減化学肥料栽培の可能性
担当機関 岩手農研セ
研究期間 2002~2004
研究担当者 高橋正樹
高橋良学
小野剛志
発行年度 2003
要約 県内堆肥センター産堆肥を乾物窒素濃度と窒素肥効率を考慮して施用することで、化学肥料の50%を堆肥で代替できる。
キーワード 堆肥センター、水稲、減化学肥料
背景・ねらい 特別栽培農産物生産では、有機物による化学肥料代替栽培が重要な技術となる。しかし、これまで牛ふん堆肥は成分含量が低いため肥料代替ではなく、土づくりとして利用されてきた。近年、県内各地に堆肥センターが設置され、これまでの牛ふん堆肥と比べ成分含量の高い堆肥が生産されるようになった。そこで、これらの堆肥を用いた水稲50%減化学肥料栽培の可能性について検討を行った。
成果の内容・特徴 1.
堆肥による水稲50%減化学肥料栽培において、乾物窒素濃度が3%、C/N比が10程度の堆肥を用いた場合、窒素肥効率30%以下として施用することで慣行並~以上の窒素吸収量および収量が得られる(図1)。
2.
堆肥中の乾物窒素濃度2~2.5%、C/N比15程度の堆肥を用いた場合、窒素肥効率を10%と仮定しても、慣行並の窒素吸収量は得られない。しかし、一穂籾数が高まることにより窒素肥効率によっては慣行並の収量を得ることができる(図1、表2)。
3.
堆肥から放出される窒素量については、これまでC/N比によって区分されていたが、牛ふん主体・堆肥舎生産堆肥の乾物窒素濃度とC/N比には高い相関がみられることから、乾物窒素濃度によって窒素放出量を推定できる(図2)。
4.
慣行並~以上の乾物重・窒素吸収量を得た場合は、慣行並~以上のリン酸吸収量、カリ吸収量が得られるため、化学肥料のリン酸及びカリ資材が不要であると考えられる(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
本成果は非アロフェン質黒ボク土(北上)での試験結果である。
2.
本成果で使用した堆肥の成分(乾物当たり%)は表1の通りである。
3.
施肥条件は慣行区では、基肥窒素6kg/10a、追肥窒素2kg/10a(幼穂形成期)で、たい肥無施用とした。減化学肥料区では、基肥窒素2kg/10a、追肥窒素2kg/10a(幼形期追肥)で、たい肥は窒素肥効率を10%、30%、50%と仮定して施用した。
4.
本成果中の窒素肥効率とは、堆肥中全窒素濃度のうち化学肥料と同等の効果を示す窒素割合の仮定値である。
5.
供試した品種は「ひとめぼれ」である。
6.
土壌への養分蓄積及び米の品質に与える影響に関しては今後検討する必要がある。
カテゴリ 土づくり 肥料 水稲 施肥 品種

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