東北地方で発生したホップうどんこ病と防除対策

タイトル 東北地方で発生したホップうどんこ病と防除対策
担当機関 岩手農研セ
研究期間 2003~2003
研究担当者 勝部和則
猫塚修一
発行年度 2003
要約 ホップうどんこ病が東北地方の主産地で発生している。主として毬花に発病するため,被害が大きい。防除は毛花開花期~毬花初期の灰色かび病を対象としたスルフェン酸系水和剤の2回散布によって可能である。
キーワード ホップうどんこ病,東北,発生,防除対策
背景・ねらい ホップは岩手県が全国一位の作付面積を誇る地域特産物である(H14:岩手126ha/全国294ha)。平成14年江刺市,15年には二戸市,遠野市の他,青森,秋田,山形の3県で広域にホップ毬花で白色のカビが観察され,うどんこ病であると考えられた。本病は1936年に国内での発生が記録されているものの(原,1936),以後の記載はなく,本県および東北地方における発生実態も不明である。そこで,本病の特徴,発生実態および防除対策について明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
岩手県、青森県、秋田県および山形県で新たに発生した病害はSphaerotheca macularis (Wallr.: Fr.) Lind, s.str. (Braun, 1968) (= S. humuli)を病原とする(写真1)うどんこ病である。発生を確認した品種は信州早生,キリン2号,とよみどりで、品種間差は見られない。
2.
本病は若い葉と毬花に発生する。毬花ではがく部付近に白色粉状の病斑が形成され、分生子の形成は苞裏に多い(写真2)。毬花全体に発病するなど激しい場合は毬花の肥大が阻害され,やがて褐変してミイラ化する。通常管理園では葉に発病を見つけることが難しいが,過繁茂した若葉の表裏に病斑が認められる。つるでの発病は認めていない。
3.
本病は、灰色かび病を対象として実施される毛花開花50%期および毬花初期のスルフェン酸系水和剤800倍液2回散布で防除できる(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
スルフェン酸系水和剤は灰色かび病に適用の薬剤で,ホップにおける使用基準は〔600~800倍,収穫30日前まで,3回以内〕である。本剤は平成16年9月で登録失効するため,うどんこ病に有効な薬剤の検索を実施する必要がある。
カテゴリ 病害虫 うどんこ病 品種 防除 ホップ 薬剤

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