タイトル | 成苗ポットへのカルプロパミド剤処理量と葉いもち防除効果・稲体残留量との関係 |
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担当機関 | 岩手農研セ |
研究期間 | 2003~2003 |
研究担当者 |
佐々木直子 倉内賢一 坂本伸子 勝部和則 |
発行年度 | 2003 |
要約 | カルプロパミド剤を成苗ポットで使用する場合の箱当たりの処理量において,水和剤型(100倍液)200~500ml,粒剤型30~50gの範囲で,葉いもち防除効果及び稲体株当たり残留量において同等であることから,1箱当たりの処理量の低減が可能である。 |
キーワード | 成苗ポット、葉いもち、カルプロパミド剤、処理量、防除効果、稲体残留量 |
背景・ねらい | イネいもち病を対象とした長期残効型育苗箱施用剤(以下,箱施用剤)は育苗箱1枚当たりの施用量で規定とされている。岩手県北部や青森県で普及している成苗ポット育苗方式では,本田移植箱数が10a当たり約40~60枚で,箱施用剤の本田投下量換算で中苗の場合(約22~25枚)を大きく上回る。そこで、カルプロパミド粒剤と水和剤型のカルプロパミド剤(イミダクロプリド・カルプロパミド水和剤、以下、カルプロパミド水和剤)を用いて、成苗ポット育苗箱当たりの処理量と,葉いもち防除効果及び稲体株当り残留量との関係を検討し,効率的な使用方法を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. カルプロパミド水和剤(100倍液)を成苗ポット苗に対して移植当日に使用する場合,箱当たり処理量200~500mlの範囲で葉いもち防除効果はほぼ同等である(表1,2)。このときの稲体1株当りの残留量は移植5日目で箱当たりの処理量に応じて差がみられるが,移植後30日以降穂孕み後期までは概ね20ppm前後で推移する(図1)。 2. カルプロパミド粒剤を成苗ポット苗に対して移植当日に使用する場合,箱当たり処理量30,50gの葉いもち防除効果はほぼ同等と判断される(表2)。このときの稲体1株当りの残留量は移植5日目で箱当たりの処理量で差がみられるが,移植後30日以降穂孕み後期までは概ね20ppm前後で推移する(図1)。 3. カルプロパミド剤を成苗ポットで使用する場合,水和剤及び粒剤とも箱当たりの処理量によらず,葉いもち防除効果及び株当り残留量が同等であることから,1箱当たりの処理量の低減が可能である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. カルプロパミド剤の両剤型の農薬登録は通常の箱育苗における中苗を対象としたものであるため,本成果は成苗ポットにおける箱施用剤の適用拡大のための参考に活用する。 2. 本成果を用いた防除の対象は葉いもちとする。なお,粒剤型の箱当たり20g処理については均一な散布が困難であるため,検討していない。 3. 株当り残留量(図1)において,移植5日後の水和剤型処理区の値が粒剤に比較して高いのは茎葉の上から箱施用するためで,茎葉から速やかに吸収されたためと考えられる。 4. 本成果で用いた水和剤型は,殺虫成分(イミダクロプリド)を含む混合剤であるため,減量施用による害虫防除効果への影響を別途検討する必要がある。 |
カテゴリ | 病害虫 育苗 いもち病 害虫 農薬 防除 |