コバネイナゴの薬剤感受性の地域及び年次変動

タイトル コバネイナゴの薬剤感受性の地域及び年次変動
担当機関 青森農林総研
研究期間 2000~2003
研究担当者 市田忠夫
石岡将樹
木村利幸
発行年度 2003
要約 コバネイナゴ3齢幼虫に対して、航空防除で使用されている薬剤の感受性を局所施用法で調査したところ、中央致死薬量が地域により数倍の違いがみられ、また年次の経過に伴い感受性が上昇している地点もある。
キーワード コバネイナゴ、薬剤感受性、年次変動、中央致死薬量
背景・ねらい 近年、青森県の航空防除地帯において、エトフェンプロックスとピリダフェンチオンの防除効果が低下した疑いが持たれている。そこで、青森県内の7地点と山形県の2地点から採取したコバネイナゴを用い、航空防除剤として登録のあるエトフェンプロックスとピリダフェンチオン及びシラフルオフェンの3剤に対する薬剤感受性の現状について検討する。
成果の内容・特徴 1.
エトフェンプロックス、ピリダフェンチオン及びシラフルオフェンの3剤に対する薬剤感受性を、代かき後の水田内から採取した卵鞘から得られた3齢幼虫を用いて局所施用法(6濃度、各濃度で約30個体供試)により調査を行った。
2.
各薬剤における中央致死薬量(LD50値)は、最も低い地域と比較するとエトフェンプロックス、ピリダフェンチオン及びシラフルオフェンで、それぞれ約1.0~3.7倍、1.4~4.7倍及び1.3~7.5倍となっており、地域間で変動がみられる(表1)。
3.
数カ年行った地点でのLD50値は、木造町の3剤と藤崎町のシラフルオフェンが年次の経過に伴い上昇傾向にある。また、黒石市と藤崎町のエトフェンプロックスと浪岡町でシラフルオフェンが年次の経過に伴い下降傾向にある。その他の地域では一定の傾向はみられない。(表1)
4.
卵鞘採取地域における散布時期は、1999年までは出穂直前のみの散布となっていたが、その後カメムシ類が多発生となったため、カメムシの防除時期である穂揃期の散布に移行している(表2)。防除に用いた薬剤と、LD50値の年次変動には関連はみられない。
成果の活用面・留意点 1.
コバネイナゴに対する適切な防除が可能となる。
2.
今回の感受性検定はコバネイナゴ3齢幼虫で行ったので、他の齢では感受性が異なる恐れがある。
3.
殺虫剤を使用する際は、使用基準を遵守する。
カテゴリ 病害虫 カメムシ 水田 防除 薬剤

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