タイトル | 天敵と物理的防除法を利用した施設ピーマンの害虫防除 |
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担当機関 | 岩手農研セ |
研究期間 | 2000~2003 |
研究担当者 |
藤沢 巧 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 施設ピーマンにおいて発生する主要害虫に対して、紫外線除去フィルムや防虫網と天敵を併用することによって、それぞれ単独で使用するより密度抑制効果が高い。また、慣行防除と比較して農薬散布労力が軽減できる。 |
キーワード | 施設ピーマン、紫外線除去フィルム、防虫網、天敵、労力軽減 |
背景・ねらい | 県内のピーマン主要産地では、薬剤抵抗性が発達しているアザミウマ類やアブラムシ類が発生しているうえ、他の果菜類と比較してピーマンで登録されている殺虫剤の種類が少ないため防除に苦慮している。また、消費者からは農薬散布回数を削減した農産物の需要があり、これに対応した防除技術の確立が生産現場から求められている。 そこで、物理的防除として紫外線除去フィルムや防虫網と、天敵を組み合わせた総合防除技術を検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 紫外線除去フィルムと各種天敵(タイリクヒメハナカメムシ、ククメリスカブリダニ、ナミテントウ、コレマンアブラバチ)を組み合わせて利用することにより、アザミウマ類やアブラムシ類の密度抑制効果は、それぞれ単独で利用するより高くなる(図1)。 2. 上記天敵では防除できないタバコガに対しては、4mm目の防虫網をハウス開口部に設置することにより、被害が大幅に軽減できる(表1)。 3. 薬剤のみによる慣行防除と比較して、紫外線除去フィルム、防虫網および天敵を組み合わせた総合防除体系では、農薬散布労力が大幅に軽減される(表2)。 1. 本技術は薬剤抵抗性が発達しているミカンキイロアザミウマとワタアブラムシが発生している施設で特に有効である。 2. |
成果の活用面・留意点 | 1. 本技術は薬剤抵抗性が発達しているミカンキイロアザミウマとワタアブラムシが発生している施設で特に有効である。 2. 各種天敵の使用上の留意点については、「生物農薬ガイドブック2002(日本植物防疫協会編)」等の資料を参照する。 3. 紫外線除去フィルム下では、天敵類の活動範囲が狭くなる傾向があるため、放飼に当たっては害虫発生場所を中心に、数カ所に分散して行う。 4. 天敵放飼後に害虫の多発傾向が見られた場合には、天敵に影響がない剤をスポット散布する等の対策を速やかにとる。 5. 今回の技術内容は害虫対策のみで検討した結果であり、灰色かび病等の病害対策とあわせた防除体系は今後検討を要する。 |
カテゴリ | 病害虫 害虫 カメムシ 総合防除技術 抵抗性 農薬 ピーマン 防除 薬剤 わた |