タイトル | 直播向け水稲選抜のための押し倒し抵抗値の評価 |
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担当機関 | 岩手農研セ |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
阿部陽 田村和彦 木内豊 |
発行年度 | 2003 |
要約 | イネ移植株を用いた耐ころび型倒伏性に関する1穂当たり押し倒し抵抗値には品種間差がみられる。年次により同抵抗値は変動するものの、品種間の順位には年次による相違はないことから、品種特性として評価できる。 |
キーワード | イネ、直播、ころび型倒伏、押し倒し抵抗値 |
背景・ねらい | 省力・低コスト稲作技術の一つである直播栽培は播種方法や播種後水管理技術の向上により、作付けが拡大しつつある。しかしながら、出芽苗立ちや倒伏等に不安定要因が残されており、特に、直播栽培では株の基部が土壌の浅い部分に位置するため、株基部から倒れる「ころび型倒伏」が生じやすい。そこで、直播栽培適性に優れる系統選抜の資とするため、ころび型倒伏性と関係の深い、移植株における押し倒し抵抗値の品種評価を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1. イネ移植株における1穂当たり押し倒し抵抗値には、品種間差異がみられる(表1)。 2. 2002年と2003年の1穂当たり押し倒し抵抗値には、高い正の相関関係(r=0.911***)が認められ、品種間の順位には年次による相違はない(図1)。 3. 上述の結果をもとに、1穂当たり押し倒し抵抗値によって、供試品種・系統を“極強”から“弱”まで6段階に評価した(表2)。 4. 評価を適用した結果、岩手県奨励品種・育成系統では「岩手68号」が“中”で最も優れているが、多くの系統は“やや弱”以下である(表1、図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 押し倒し抵抗値の評価を選抜指標とし、耐ころび型倒伏性に優れる系統の育成を図る。 2. 評価は2002年および2003年の結果をもとに決定したものである。 3. 中晩生品種地帯だけではなく、早生品種地帯でも判定できるように品種を熟期別に選定した。 4. 調査はイネ育種マニュアル(1996)および尾形ら(1996)を参考に以下の方法で行ったものである。 (1) 調査は移植株を用い、各品種・系統6株について2反復で行う。 (2) 出穂期21日後に、デジタル・ゲージ(アイコーエンジニアリング製MODEL-9800)を地際から15cmの高さで株に対し直角に押し当て、株を45度の角度まで押し倒す際の応力を測定する。調査株の穂数を調査し、1穂当たり押し倒し抵抗値を算出する。なお、1N=0.10197kgf(1kgf=9.80665N)である。 |
カテゴリ | 育種 直播栽培 水稲 低コスト 播種 品種 水管理 |