タイトル | 遊休桑園の草地化と黒毛和種放牧技術 |
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担当機関 | 福島農試 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
佐藤茂次 小林準 前田康之 渡辺有策 八巻聰 半杭真一 富永哲 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 遊休桑園は、伐採、管理放牧、表土処理、マクロシードペレット播種、電気牧柵利用により放牧地化できる。桑園放牧地約150aで黒毛和種繁殖牛5.5頭の輪換放牧では約240日間の放牧が可能であり、舎飼に比べ飼養コストは1頭あたり約5万円削減され、労働時間は半分以下となる。 |
キーワード | 遊休桑園、放牧、マクロシードペレット、電気牧柵、黒毛和種 |
背景・ねらい | 中山間地域には数多くの桑園が存在するが、その多くは遊休化し、この利活用対策が大きな課題となっている。本研究ではこれらの遊休桑園を黒毛和種の放牧に利用して畜産的有効活用を図るため、牧草導入方法と管理技術、並びに移動式電気牧柵による集約的な輪換放牧技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 桑樹を伐採し約120日間の管理放牧の実施後、除草剤及びロータリー簡易耕起等の表土処理とマクロシードペレット播種により、良好な牧草の定着が得られる(表1)。 2. 電気牧柵にはパイプハウス鉄管など安価で敷設の容易な資材を利用するとよい(図1、図2)。 3. 播種前にグリホサート系除草剤の散布を行うと、牧養力(CD/ha)は利用1、2年目共に900を超え、管理放牧のみでも504~771で高い生産性を示す(表2)。 4. 約150aの桑園放牧地を6小牧区に分け、黒毛和種繁殖牛5.5頭を輪換放牧すると、240日間放牧可能である。 5. 桑園放牧は通年舎飼に比べ1頭あたりの飼養コストが約46%削減でき、年間労働時間も約57%短縮される(表3)。 6. 桑園放牧地の造成コストは、標準的な造成コストと同等以下である(表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 牧草播種において、緩効性固形肥料を用いたマクロシードペレットを使用するため、翌年の放牧利用時に追肥の必要はない。利用2年目より施肥管理を行う。 2. 桑樹の刈取り、運搬、集積作業は、軽労化のために落葉期に行う。 3. 放牧時に重放牧(約700CD/ha)することで、ギシギシ、ヨモギ等の永年性雑草を抑制する効果がある。 |
カテゴリ | 肥料 病害虫 管理技術 桑 軽労化 コスト 雑草 除草剤 施肥 中山間地域 播種 繁殖性改善 放牧技術 よもぎ |